第8話 兄弟

それからまた半年が経ち、6歳の誕生日を迎えた。




「アルフレッド、誕生日おめでとう。」




「父上、ありがとうございます。」




「訓練と勉強を始めてもう1年ね~無理していないかしら?」




「はい!」




「それはよかったわ~」




毎日10回TP切れを起こすまでソードスキルを行使し、この半年で両手剣Lv.1→Lv.3になった。


ちなみにスキルレベルはLv.1~2が初級者、3~4が中級者、5~6が上級者、7~8が超級者、9が英雄、そして10は怪物級といった分類である。




「話が変わるが、もうすぐ夏休みに入るからジルとレイフが帰ってくるぞ。」




「まあ!ご馳走を用意しないとだわ!!」




前世の自我を取り戻してから初めて会うな。


記憶によると…まだ幼い頃に色々とお世話になったようだ。




「そうだ、アルフレッド。」




「なんでしょうか?」




「ジルとレイフに剣術を見せてもらったらどうだ?」




「そうですね!是非…!!」




騎士学校は10~15歳の5年制の学校である。


この世界では15歳で成人を迎えるらしく、学校を卒業=就職ということらしい。




ちなみに冒険者学校というものもあり、こちらは12〜15歳の3年制の学校である。


俺はこちらに入学する予定だ。




その後歓談しながら、誕生日会を終えた。


俺は自室に戻り、授業の予復習を終えてゆったりしていた。




「…そういえばこの世界の誕生日会は豪華な食事を取るだけでプレゼントとかは無いんだな。」




別に何か欲しいものがあるわけでは無い。


ただ、異文化交流みたいなものを実感していただけだ。




「…ってツンデレかよ。我ながら気持ち悪いな。」




3日後




「おかえり~良い身体になったわね~」




「ただいま母さん。何事もなかったようで安心したよ。」




「あらあら。口まで一人前になっちゃって~」




「おかえりなさい!」




「ただいま。大きくなったなぁアル!!」




「ありがとうございます、ジル兄様!」




ジル兄様は容姿端麗、成績優秀のまさに主人公のような人になっていた。


こっそりジル兄様を“鑑定“してみた。






名前:ジルベスター=ペンシルゴン Lv.21




HP 135/135 TP 615/615 SP 0




STR 30 VIT 25 DEX 30 AGI 25 INT 30 LUK 25




スキル


片手剣Lv.4 両手剣Lv.5 盾Lv.4






『ジル兄様は均等に割り振った万能型か…まぁ領主になるならこの方が良いか。』




ペンシルゴン家について詳しく説明しよう。


うちは長男が領主を務め、次男が守護騎士の称号を得て騎士団長となる。




父上の代は子が父上しか生まれなかったため、父上が領主と守護騎士の両方を務めている。


と言っても両立は厳しいため、守護騎士の方は父上の親友であるアーノルド師匠にほとんど任せっきりになっているが。




それはさておき、どうやら本に書いてあった通りLvが1上がるとHP、TPが5上昇するようだ。


また、SPとは以前読んだ本によると




『ステータスに割り振る数値。Lvが1上がるとSP5を得る。尚、SP1消費して上昇するステータスは1だけである。』




とのことだ。


ちなみに割り振り及びリセットは教会でできるらしいが、まあまあお金がかかるとかなんとか…




『それにしても領主になるのに1つが上級者レベルで2つが中級者レベルか…』




父上の方針で、一人前に強くなるまで領主の座は引き継がせないとのことだ。


ジル兄様も苦労しているんだな…




「本当にね。それに筋肉もついてきたな。」




「はい!でもレイフ兄様の方がすごいです!」




「ははっ!ありがとう。」




レイフ兄様は13歳とは思えないほど屈強な身体になっていた。


レイフ兄様もこっそり”鑑定”してみた。




名前:レイフィールド=ペンシルゴン Lv.30






HP 180/180 TP 760/760 SP 0




STR 50 VIT 40 DEX 40 AGI 35 INT 35 LUK 10




スキル


片手剣Lv.2 両手剣Lv.6 盾Lv.3






『なるほど…レイフ兄様は戦闘特化型か…』




守護騎士の座を引き継ぐので、この割り振りは正解だろう。




「2人とも、よく帰ったな。」




「ただいま帰りました、父上。」




「まずは2人とも水浴びをしてきなさい。その後食事にしよう。」




「はい。」




兄様達の歓迎会をするので、今日は訓練と授業が中止になった。


今までどんなに雨風が強くても中止にならなかったので、初めてだ。




それから歓談しながら食事を終え、リビングでくつろいでいた。


すると、父上が険しい表情を見せて兄様達に厳しい視線を向けた。




「ジルベスター、レイフィールド、俺に成長具合を見せろ。」




「はい!」




「分かりました。」




「アルフレッドも着替えて庭に来なさい。」




「は、はい!」




兄様達もそうだが、父上が戦うところは初めて見る。


現役の守護騎士は一体どれほどの実力なのだろうか…?




そういえば今まで父上を”鑑定”していなかったので、行使してみた。






名前:ジョシュア=ペンシルゴン Lv.92




HP 490/490 TP 1990/1990 SP 0




STR 100 VIT 110 DEX 80 AGI 100 INT 90 LUK 40




スキル


片手剣Lv.6 両手剣Lv.7 短剣Lv.4 盾Lv.6






『なっ…まじか…!!数値3桁だし…!!両手剣に関しては超級者だし…!!』




思っていた以上に強く、口がポカーンと開いてしまった。


兄様達はこんな化け物…もとい、父上と戦って無事に済むだろうか…?

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