第170話 楽な方へ流れたい
私は今まで、誰かに作られた自分を生きてきた。
親、先生、友達、恋人。
自分の周りにいる人の思惑に踊らされてやっていた。
誰かの大きい意思に逆らうのは面倒で、それが一時的ではなく後々まで尾を引いたりするものだ。
そして誰かが望む展開や道筋に沿って生きてくのはとっても楽でしがらみも少ない。
でも、私にはとっても窮屈だった。
今までは良かったが、社会にとって求められる人物イメージというのは表面上というか…簡単に言ってしまえば建前なのだ。
複雑なことを言って大人ぶってはいるけど、上に立つ人が求めているものというのはもっと直接的で、幼稚で、支配的なものだ。
その考えに私はついていけなかった。
少なくとも私の初めての職場では。
そして無職へと転落した今、もうしがないフリーターとして生きていきたいなんて非現実的な考えが頭の中を駆け巡っている。
だってそれが一番楽であることは知っているから。
でもそれで本当に幸せになれるのか?
ここで選択を間違えば、割とまずいことになる気がしているのも正直なところなのだ。
自分で選択するということは、存外難しいものである。
自分の意思で選んでいるように思えることも、他人によって選ばされていることがないか?
たまに振り返って確認していく他ないのだ。
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