第92話 宛先は
拝啓
厳しい寒さも少し和らぎ、風が柔らかく優しく吹くように感じるこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
挫けてしまった夏が早く過ぎればいいのにと思いながら引き篭もりまくり、季節を感じないまま冬を年末を年始を通り越して、気づいたら春になってしまいました。時間とは恐ろしく早く過ぎ、何よりも良い薬にもなり、悲しく全てを流してしまいますね。今の私には「もうこんなに経ったんだね」と笑って眺めることが出来ずにいます。何だかんだ後悔しているのでしょうか、それはきっともう少し先の未来にしか分からないのだと思います。
この手紙は一体、何時の誰に出せばいいのかすら分からずにいる私はこれから何処で生きていくんでしょうか。身を置ける場所を探すというのは難しいものですね。では、お身体に気を付けて。
敬具
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