第44話 犬のお散歩

うちのワンコは、犬嫌い。

でも、唯一、近所のKちゃんだけは、友達だった。


・・・・友達、でもないかな?


でもお互いに近くにいても、スン、と大人しく座っている感じ。


Kちゃんはとっても大人しい、いい子なのだ。


ある日、祖父が帰宅途中に、家の近所でKちゃんママと顔を合わせた。

Kちゃんママは、手にKちゃんのお散歩用のリードを持っていた。


Kちゃんのお散歩かな?


そう思って後ろを見ると。


なんと。


Kちゃんは自宅前で、スン、と座っていたという。


「Kちゃんママ!Kちゃん、家の前にいるけど・・・・」

「えっ?!」


祖父の言葉に、Kちゃんママは慌ててKちゃんの元へ走って戻ったらしい。


Kちゃん、おとなしいからな。

お散歩中だって、リードがピンと張らない程度に、ちゃんとKちゃんママについて歩く、イイ子だからな。

Kちゃんママはてっきり、Kちゃんがちゃんと後ろを歩いていると思っていたんだろうけど。

リードをつけ忘れるなんて、うっかりさんだねぇ。


それにしても。


Kちゃん、おとなし過ぎるぞ?

一声 『ワン』 って吠えれば、Kちゃんママも気づいただろうに。

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