第16話 犬

だいぶ前。

我が家には犬がいた。

しつけにもほとんど手のかからない、賢い犬だった。


ある時わたしは、1週間ほど家を留守にした。

帰って来たわたしは、「ただいま」と言って、愛犬を抱き上げた。



愛犬は、わたしを怖がり、体を硬直させていた。

お前は誰だ、と言わんばかりに。



たった一週間で忘れられた、哀れな飼い主の話。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る