エピローグ
ーあれから、数週間が経った。
「ー…マスター、マスター」
まだまどろみの中にいた俺の耳に、美しい声が聞こえた。
「……、…んあ。
…おはよう、アンリ」
ゆっくりと目を開けると、目の前には絶世の美女にして俺の第一婦人たる『江口アンリ』の顔が目に飛び込んできた。
「はい、おはようございますー」
すると、アンリは目覚めの口付けをしてきた。…ああ、最高の目覚めだ。
「…っ。…それでは、朝食をお持ちしますね」
「ああ」
彼女は一旦、とても広い俺の部屋から出た。その間に、俺はさっさと着替えテーブルに移動する。
「ー失礼します」
すると、丁度良いタイミングで彼女が入って来た。
「…お、今日の担当はアネラスか」
目の前に運ばれた和食を見て、一生懸命作ったアネラスの顔を思い浮かべた。
「はい。…それでは、失礼します」
自分の分を置いたアンリは、俺の正面に座った。
「「頂きます」」
そして、声を揃えて朝食を食べ始めたー。
『ーおはようございます。マスター、ダイスケ』
「ああ、おはよう皆」
朝食を食べ終え部屋を出ると、たくさんの美女達…主に元居たマンションと会社の中でも選りすぐりのコ達に出迎えられた。
「それじゃあ、行こか。イブキ、頼む」
俺は皆にそう言い、彼女達の中心に立つ俺専属の護衛を呼ぶ。…彼女は、一番最初に元のマンションで俺直々に『スカウト』したお気に入りだ。
「畏まりました。どうぞ、こちらに」
「ありがとう。…それじゃ皆、また後で」
『はい、行ってらっしゃいませ。マスターダイスケ』
彼女に見送られ、イブキの警護の元俺は『屋敷』を出た。
「「「ーおはようございます。マスターダイスケ」」」
すると、既に玄関には『ミヒト』…いや、イソラとイオリ、それに『ミラ』ことエマが車の前で待機していた。
「おはよう、イソラ、エマ」
「マスターダイスケ、どうぞ」
二人に挨拶を返していると、イブキは後ろのドアを開けた。
「ありがとう」
「「ー失礼します」」
俺が広々とした三人掛けのシートの真ん中に座ると、左右からイブキとイオリが乗って来た。
そして、その後に運転席にイソラ助手席にエマニが乗り込んだ。…ああ、今日も朝から素敵な密室空間だ。
「それではマスター。出発致します」
イソラはそう告げて、車を発車させたー。
『ーおはようございます、マスターダイスケ』
会社に出社した俺を出迎えたのは、朝に別れたメンバーと朝にはいなかったコ達だ。…ちなみにだが、会社を彼女達と『N』に変えたからといって俺の立場は全く変わっていない。
まあ、そもそもこうして『自分専用のフロア』で美女達に囲まれて仕事をしたいだけだったから、トップになる気はさらさらないんだけどね。
「おはよう、皆。じゃあ、今日も1日頑張ろう」
『はい』
こうして、今日も素晴らしい1日が始まるのだったー。
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