第11話 土木作業員

 とはいえニートはやはり暇なので時間だけはある。ということで結局またアルバイトの面接を受けることになったのだ。今度は土木建設作業員である。あの中卒だろうとどんだけ常識が無かろうと犯罪歴があろうと、空白期間があろうとも落ちるはずがないと言われるあの職種である。実際募集時の必須資格もオートマ限定不可の普通免許ぐらいで履歴書も不要、これで落ちたら終わりだと思いながら面接に行った。面接では結局履歴書を書かされることになった、自宅近くに事務所があったこともあり同じ中学出身だと言われた。(本当にどうでも良いけど)その後もし不採用の場合はこれを郵送すると言われた。あっ……まさかまさかなとは思ったもののなんとなく覚悟はできていた。実際に郵送されてきたのは面接から3週間ほど後のことだったがまあそれだけの間連絡が来ない時点、いやその場で採用されるのが当たり前のせいでそんなことを言われた段階で自分はもう落ちていたのである。誰でも受かるというのは嘘だったのを無事証明してしまった……。

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