第6話 倉庫のピッキング

 不思議なことが起きた。バイトの書類審査に受かったのである。前回書いたように同時期に受けた書類審査では一瞬ではねられて履歴書が戻ってきたため確実にここも書類おちだと思っていたところなのにだ。書類で通ったのならもしかしたら……と思って内心期待しながら面接を受けに行った。面接では


「君の住所、○○ってあそこのマンション? なら近いよね、ここから数分のところじゃん、たしか工事でこの現場行ったことあるから知ってるわ」

と完全に家バレしていたことがわかりもしものときバックレしても逃さないぞと言われているみたいでけっこう怖くなった。またここもフォークリフト資格所持者歓迎と書かれていたのでそれが評価されたのかとも思ったが


「あー今フォークの資格って高校生でもみんな持ってるよね、学校で取らされているもんなのかな?」


と言っていたため別にそうではなかったようである。結局、後日連絡という実質的な不採用宣言を受けてそののち履歴書が返ってきた。

そしていつも通りの日常に戻ったのだった。

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