第18話伊香保 長峰公園のつつじ

伊香保 長峰公園のつつじ


平成9年5月2日


 伊香保温泉から榛名湖へ向かう道


峠から下ってゆく道の途中に長峰公園がある。


夏終わる頃になるとゆうすげの咲くところである。


日帰り温泉に入りがてらわざわざ夕方に


この道を走ったものである。


遠目に見た時、ニッコウキスゲと同じに見えるが


ニッコウキスゲより黄色い。


夕方咲くので何となくロマンチックで儚い。


後から知った事だがニッコウキスゲは朝から夕方まで


咲いてゆうすげは夕方から咲く花だという。


ゆうすげは温泉の帰りに見るので側に寄ってみた事はない。


原っぱのような台地だ。


今日は少し歩いて見ようとやって来た。


ゆうすげには季節が早いので御目にはかかれないが


代わりにツツジが咲いている。


ここはつつじ園ではないので固まって咲いている訳ではない。


高原のあちこちにポツリ、ポツリと花が見えたり


一つの茂みが全部ツツジの花だったりする。


心持ち密集して咲いている花はピンク系が多く


パラパラと咲いているのはオレンジ系が多く感じるが


気のせいかもしれない。


故郷の山も珍しいツツジの産地だった。


山の風の強い所に咲くせいか地べたをはいずるように


花が咲いていた。


高原のツツジを1枚スケッチしてみる。


広い高原に一人ぼっちでいるようで心細くなって


車の所に戻る。


ハイキングの人はいるがどこかで声がしているだけで


姿は見えない。


元々数も多くないようで直ぐに静になる。

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