第8話 ネットスーパー
若干気まずい朝食が終わった。
「おいしかったね!」
「そうだね!」
ハナとアルバロはご機嫌だ。
「今日からチュートリアルでいいのかな?」
「うん!こんなに美味しいご飯を食べさせてもらったから頑張るよ、期待してて」
「その前にネットスーパーを使えるか試そうよ」
「カナ?うちはネットスーパーを利用したこと無いだろう?」
「だからだよ。保存食はあるけど卵や肉は何日も持たないよ」
「そうだったな!」
リビングダイニングに置いている家族共有のパソコンを立ち上げると無事にネットに繋がったので市内で1番大きなスーパーにアクセス。
「卵と挽き肉、今日はエビが特売だ。アボカドも食べたいな…」
「カナちゃん、お肉の缶詰かって!」
「はいはい、どれがいい?」
「これ!旨みビーフ&緑黄色野菜」
「これが美味しかったら、他の種類も試してたくさん買い足そうね」
「うん!」
この他にもいろいろ選んでカートに入れた。
「決済はどうしたらいいんだろう?」
「購入ボタンをクリックすると入金口が現れるから、そこにお金を入れる仕組みにしたよ。僕の世界の通貨はこんな感じ、紙幣はまだ無いんだ」
「とりあえずクリックしてみるね」
購入ボタンをクリックしたら目の前に入金口が現れた。
「おおー」
「ファンタジー!」
父さんと私が驚く。
「金貨を入れる」
入金口が消えた。
「画面を確認してみて」
「入金されてる!」
「購入ボタンをクリックで注文完了だよ」
ポチ。
「今日のお昼頃にはスーパーのカゴが玄関に届いてるよ」
「お金、いくらくらい払ったらいい?」
「要らないよ、チュートリアルの間は僕の責任だから。世界に降り立つときも困らないようにするからね」
「ええ…いいの?」
「当然だよ、僕の世界は急成長中で結構豊かなんだから任せてよ!それにマリオとカナが世界の成長に貢献してくれるのは間違い無いからね!」
「チュートリアル中のご飯は美味しいものを用意するから期待してな!」
「本当に?嬉しい!」
豊かになった頭髪を頻繁に触る父と食いしん坊のアルバロ。Win-Winの関係だ。
「カナちゃん、お庭に出てみたい!」
「そうだね、ハナにお散歩させないとね」
縁側から庭に出てみると普通に我が家の庭だった。庭に出るなりハナがばびゅんと走って行った。気が済んだら戻ってくるだろう。
「カナちゃん!見えない壁があったよ!」
さっそく戻ってきた。
ハナに早く早くと急かされながらお隣との境界に向かうと見えない壁があった。ハナが脱走できない仕様なので最高だ。
「そこが境界、チュートリアルが終わって地上に降りる時に敷地とか家の間取りや外観をどうするかは追って相談しようね」
「気を使ってくれてありがとう。家庭菜園や果樹はそのまま持って行きたいね」
「そうだな」
ハナが自由に駆け回っている間に家庭菜園から、収穫時期の野菜を収穫した。
「カナちゃん、パパ、お腹すいた!」
無駄に広い田舎の庭をクタクタになるまで駆け回ったハナが戻ってきた。スローライフへの憧れなんて無かったのに、なんか良いなと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます