第88話黒巫女召喚士と暴食之悪魔 ⑰
「
「凄いんですか?」
ベルゼブブが使っている時点で強い事確定ですけどね。
しかも少し力が戻ったから使えるように成ったのだ。
それだけでレーヴァテインの凄さは少しだけ分かる。
「あぁ、ベルゼブブの
「うそん」
片手失っている状態で大丈夫かな?
体動かすの私じゃないけど感覚とか共有しているし、でもイサちゃんをなんか進化したし問題ないかな?
左手で鎌を広い構える。
マナちゃんが回復魔法を掛けてくれるが欠損部分の再生には少し掛かる。
ベルゼブブは私に一瞬で接近して来た。
「速っ!」
『問題なし!』
ベルゼブブは少しだけと言っていたわりにはかなり強化されている模様だ。
ベルゼブブが炎を刀身から出す剣を振るう。
振るう度に炎がボワッと沸き立ち鎌とぶつかる度に炎が激しく揺れる。
わたしは何とかベルゼブブの剣を鎌で防げている状況だった。
剣士骸骨さんが背後からベルゼブブを攻撃するがベルゼブブは高速の回し蹴りを斜め回転で放ち、剣士骸骨さんは防御が間に合わず中に体を投げる。
その隙にレーヴァテインで剣士骸骨を斬る、が黒紫の狼のような犬のような顔が付いた半透明な盾が現れて防がれた。
「イサちゃん!」
「ガル!」
イサちゃんの力のようだ。ステータスが見れないのでスキルは把握していないが盾は出せるようだ。
正に守りに特化した進化を果たしたようで嬉しい。今はその余韻に浸れる時間は無いけどね。
でも、かなりの進化をしている筈だしステータス的にもVITが高めのアタッカーとしての期待が出来るかも。魔法防御力も高いならMNDも高いかもしれない。
『我が与えた力を我に向けるか。愚かな』
与えたのかな?まぁ、良いや。
わたしはベルゼブブに接近して回転を付けて遠心力を乗せてベルゼブブに鎌を振るう。
ベルゼブブは何事も無さげな様子で剣を右手だけで持ち鎌の軌道の先に持って行き鎌を防ぐ。
剣士骸骨さんはその隙にベルゼブブに接近して剣を縦に一閃させるがベルゼブブは左手の甲でそれを防いだ。
「外骨格も発達しているの?!」
全体的なステータスが上昇しているようだけど、勝てるよね?
『勝つんだよ。アホ』
そうだね。阿呆は言い過ぎな気がするけどね。
ベルゼブブを足場にして後ろに跳び距離を取る。
弱点が出て居ないのでネマちゃんに攻撃させるのは危険だ。
剣士骸骨さんもベルゼブブからバックステップを数回踏んで距離を取る。
『燃えろ、
レーヴァテインから黒紫の炎が大きく出て来る。
そして横に振るうような構えを取る。
「不味い!モフリ済まない!私の部下達を守るので精一杯だ!頑張って生きてくれ!【プロテクトアンデッド】」
「そんな!」
「ガル!ガゴオオオオオ!!」
イサちゃんが咆哮すると皆が集まって来る。マナちゃんの体が全体的に虹色に輝き前方に盾が出来る。ベルゼブブの方だ。
「ガルガアアアアア!」
黒紫の光がイサちゃんを中心に出て来る。
何処と無くベルゼブブの魔法に似たような色だった。
それでも、イサちゃんは私達の大切な仲間だ。
「ガルガ!」
さらに先程の盾が前方に出来る。
『焼き尽くせ!【ダークフレアソードサイクロン】!』
ベルゼブブが1回転して剣を振るうと剣の軌道に合わせてベルゼブブを中心に広がるように黒紫の炎が斬撃となり円の形に広がる。
最初はマナちゃんが作り出した魔法の盾にぶつかり激しい衝撃と共に砕ける。
次にイサちゃんが魔法かスキルか分からないけど顕現させた盾に衝突し、数秒後に砕ける。
そして最後に私達の所に向かって来る。
イサちゃんが前に出て頭を斬撃の方向に向ける。
イサちゃんと斬撃が衝突し火花を散らす。
イサちゃんの頭部からは半透明の結界のような盾が生成されていた。
「ガアアアアアアアアア!」
イサちゃんが顔を上げると斬撃は収まっていた。
光の盾に包まれたアンデッド達も無事である。
私の右腕もイサちゃんと斬撃が格闘している間にマナちゃんが回復してくれた。
完全回復だ。
わたしが右手の感覚を確かめるようににぎにぎして鎌を両手で構える。
『虫けらが』
ベルゼブブはイサちゃんに接近して剣を両手構えし、振り下ろす。
「イサちゃん躱して!」
私達も横にステップしイサちゃんも従って横にステップする。
躱す事の出来る攻撃はわざわざ受ける必要は無いし、何よりもベルゼブブが振るった剣の軌道に合わせて地面が数メートル抉れている事から見てもあまり受ける事は許容出来ない。
イサちゃんのHPバーを見ても2割さっきので減っている。
HPも上がっているようだ。それもかなり。じゃないと無理かもね。
「マナちゃんはイサちゃんを回復して」
「ギャラー!」
少しでもHPは多い方が良い。
マナちゃんはMPの回復速度も速いのでイサちゃんの回復を任せる事にする。
イサちゃんの防御力は多分、これからのベルゼブブ戦でも役に立つ。それに、イサちゃんも望んでやって居ると思うしね。
誰も死なせない。そして勝つ。
『ふむ、やはり
まずはベルゼブブに有効打を与える為に心臓を剥き出しにする必要がある。
近距離でゴリゴリに戦うわたしと剣士骸骨さんとの戦いに一般スケルトンナイトは参加出来ないし魔法も私達に跳ね返されるから使えない状況。
イサちゃんが広げた地面の黒紫の性能も気になる。
イサちゃんが進化した事は喜ばしい事だしそれでベルゼブブ戦でも有利に成っていると思う。比例して分からない事も増えたけど。
ベルゼブブのレーヴァテインの性能も現在何処まで出せるのか分からない状況だ。
下手に戦うのは良くないけど、わたしが片手の鎌で防げれるなら何とか成るかな?
『いや、怪しい。さっきの発言的にまだレーヴァテインに慣れて無いんだろ?慣れたら怪しいぞ。慣れて居なくてもなかなかの速度で剣を振るうからな。それに、力任せで振るう馬鹿なら良かったが、剣術も使えるようだし簡単じゃないな』
そっか。
私もタイミングを見て皆に力を貸してもらう事に集中するよ。
『心臓を出すにしても、何処を狙う?目星は?』
2つ見えた時は心臓とその真反対だったよね。
分からないから腹の中央の左右辺りを狙おう。
『了解!』
私は地を蹴ってベルゼブブに接近する。
「我々も行くぞ!」
スケルトンナイトや剣士骸骨さん、師匠のお父さんも動き出す。
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