第24話ゴブリン戦闘
今は風の心地よい草原に来ている。
私達が居た国からゲーム内時間2時間掛けてここまで来た。
「ここはゴブリンと言って人型の小型のモンスターがよく出てきます。練習及びレベリングには調度良いでしょう」
「うん、分かった!頑張るね!」
早速目の前に現れた緑色の肌をしたおじさん顔のモンスターが居た。
名前を確認してみる。
【ゴブリン】
なんの捻りも無い名前だった。
「Lvも確認してくださいね」
「え、Lvも確認出来るの!」
名前が出てきたウィンドウをタップするとLvが出てきた。
Lv21のようだ。
⋯⋯私の3倍近くのLvである。
私1人では無理だが私にはハクちゃんや召喚獣の皆が居る。
今回はハクちゃんとハムちゃんで戦う予定である。
妖術をメインとして戦うので、そこそこ距離を保っておく。
「ハクちゃんは私の妖術に合わせて追撃して!ハムちゃんは予定通り行くよ!」
「きゅん」
「ちゅん!」
さあ、行くよ!ゴブリン!
「ぎじゃああ!」
「妖火!」
セカイちゃんに言われた。
スキルは持っていると体などが勝手に動いてくれると。
だが、それはプログラムされた動きだからそれに合わせて自分なりに変えないと意味が無いと。
そして、私の妖術の動きが遅いのは私のイメージが出来ていないとの事だった。
魔法は使うと一定の速度で飛んでいく。が、妖術は違う。
これは私がそういうものだと思っているからだと。
じゃ、試そうでは無いか!イメージは拳銃。
「発射!」
そして、打つ!
結果は火が出て来ただけであった。
「ありゃ?」
「セカイちゃん!」
妖術はどうやらそういうものだったようだ。
て、そんな事よりも戦闘に集中しないと!
ハムちゃんを肩から手に移してゴブリンから少し距離を取る。
「ぎじゃああ」
「ハムちゃんごー!」
ハムちゃんを空中に投げます。⋯⋯ハムちゃんのLvを上げるにはダンジョン内の探索だろうが⋯⋯時間が惜しいので今回はパスである。
なので、ハムちゃんには戦闘に参加してもらう。
召喚士としてのLv上げは契約した召喚獣と一緒に戦った方が速く上がる仕様があるようだ。
そして、強い召喚獣をずっと作って使っていると効率が下がるようで、ちゃんと替えていかないとダメらしい。
ハムちゃんはゴブリンの顔に着地する。
「ぎじゃああ?」
「今!術式展開、妖火!」
妖火を素早く操り動かすイメージでは無く、真っ直ぐ素早く動くイメージのみにする!
「ぎじゃあ!」
「やった!ハクちゃん!」
「きゅん!」
いつもよりも速く妖術を打てて喜ぶのは後にしてハムちゃんがゴブリンに視界を潰し、ちまちま攻撃している所にハクちゃんの噛み付きを与える。
それでも相手はLv21。こんなんでは1割も減らない。
妖術をひたすら使い続けて、ハムちゃんをこちらに戻るように言って戻って来たら肩に置いて、ハクちゃんをこちらに戻させる。
そして、私は妖術をひたすら使う。
「ぎじゃあ!」
「よっし、相手の体格上ひたすら打てば近づいて来ない!」
これで押し切れる!⋯⋯訳もなく。
MPが切れて、ゴブリンのHPは8割近く残っている。
「ぎじゃあああ!」
「それりゃあ怒りますよね」
ちなみに今のお陰で妖術操作Lv5になった。
モンスター相手なら調度良い速度が出せるのだが、プレイヤー相手、モンスター言っても相手は3倍近くのLvモンスターなのでもっと上のLvのモンスターには通じない可能性もある。
精進せねば。
「私が出ましょうか?」
「いや、妖術が使えなくても私にはこれがある!」
信頼している最高の物理攻撃武器、お祓い棒がね!ま、物理攻撃ならショップで売っていた剣の方が強かったり⋯⋯考えないようにしよう。
「ハクちゃんは私に攻撃バフ、ハクちゃん自身にも!ハムちゃんに速度バフを!」
「ちゅん!」
「きゅん!」
私もハクちゃんに赤色のオーラのようなモノが出て来て、ハムちゃんには青色のオーラが出て来た。
「行くよ!」
私は走ってゴブリンを間合いに入れたらゴブリンが持っていた棍棒の攻撃を防ぐ。
あちらの方が速いようだ。
だが、こっちには仲間が居るんだ。
ハムちゃんが私の腕を伝って、お祓い棒、棍棒、ジャンプしてゴブリンの視界を再び塞ぐ。
私はお祓い棒を斜めにして棍棒を受け流して、ゴブリンの足にお祓い棒を通して反対側を手で持って、引く。
ゴブリンはバランスを崩して背中から転けた。
ハムちゃんはすぐさま離脱し、ハクちゃんはゴブリンの耳に噛み付き引きちぎる。
あまり見たいとは思えない光景を見てしまった。
私はお祓い棒を上から下へとひたすら振り下ろして攻撃し、ゴブリンが後方にバク転して体制を立て直すまで行われた。
今のでゴブリン残りHPは7割である。
ハクちゃんは私のそばに戻って来ており、ハムちゃんも肩にいる。
ゴブリンはバク転して後方に下がって、棍棒をここに置いてあるのでゴブリンは素手である。
「これは時間がかかりそうですね」
ここまで貢献したハムちゃんにも経験値は入る筈なので、ハムちゃんを応召して本格的な近接戦闘を始めるためにネマちゃんを召喚⋯⋯出来ない。
MP切れているんだったわ。応召してしまったのでハクちゃんしか居なくなった。
「こ〜ん」
「うぅ、そんな目で見ないで」
「モフリさん⋯⋯」
「うぅ」
だ、大丈夫!きっと戦闘中に召喚できる分のMPは回復するよ!多分!
気を取り直してハクちゃんと共にゴブリンと戦闘する事にする。
ゴブリンは地面を蹴って接近してきた。直線上に。
私はお祓い棒を前に突き出したが、軽く半回転したゴブリンに躱されてゴブリンの拳が私の腹に飛んでくる。
「うぐ」
「きゅん!」
「モフリさん!」
現実だったらめっちゃ痛いパンチだが、ここはゲーム。
ちょっと痛いが苦痛になるほどは痛くない。
ほんと、攻撃されましたよ〜って分かるぐらいの痛みだ。
ただ、ノックバックで地面を転がって居るけどね。
ハクちゃんが近づいて来てぺろぺろと頬を舐めてくれる。
心のHPは全回復である。
「ハクちゃん、ちょっと変わった攻撃するから⋯⋯防御バフお願いね」
「きゅん?こん!」
「行くよ!」
私はハクちゃんと共にゴブリンに向かって走る。
ゴブリンも私に向かって走ってくる。
私はお祓い棒を上から振り下ろすが、簡単に躱された。
勿論予想済みなのでお祓い棒を横薙ぎに払い、ゴブリンに攻撃を与える。
ゴブリンは脇でお祓い棒を挟むが、私はお祓い棒を引いてゴブリンを近づける。
ハクちゃんは私に防御バフを掛けてくれる。
ゴブリンの拳が腹に飛んでくるが、お祓い棒を強く握って耐えて、ゴブリンの首にかぶりつく。
顎に力を入れて、噛みちぎる。
私の攻撃方法の中で1番効果的にダメージを与えるだろう。
⋯⋯あれ?ケーキよりも美味しい?
ないないないないないありえない!だって相手ゴブリンよ?モンスターよ?もしかして屍食鬼って人間以外の肉でもOKな感じ?
私が嫌だよ!
「ぎじゃああ」
「どんなんだい」
ゴブリンはお祓い棒を脇から話して、回し蹴りを私に放つ。
集中していた私は屈んで何とか交わしてゴブリンに向かって頭突きする。
そして、フラフラしているゴブリンに爪で引っ掻くハクちゃん。
これで⋯⋯ゴブリンの残りHPは5割となった。
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