第13話 彼部屋(かのへや)
向こう側だった
そこに
僕は立っている
自動ドアを抜けて
エレベーターに乗って
7階だった
星七だから?
ラッキー7?
理由を聞きたい
でもそんなの聞けない
先輩が開けるドア
僕を通すドア
先輩と世界を分けるドア
僕を誘うドア
緊張と嬉しさが混じった
「おじゃまします」
こんな一言で
僕は中へ入る
靴は綺麗に揃えたよな
キッチンには
木製のテーブル
ベージュの椅子
背もたれには
何もない
リビングには
黒いソファ
暗いテレビと
リモコンが置いてある
黒いスツール
新しさを残したまま
使用されている
シンプルと言えばそれまで
だけど少し
寂しい部屋
誰もいない
よう
「どっちに座る?」
先輩の指が
椅子とソファを行ったり来たり
そんな選べるわけないよう
迷った挙句
「勉強するので」
なんて椅子を指してさ
なんて贅沢な選択なんだ
それならと
先輩は僕の真正面に座る
僕は思った
恋の神様は絶対にいる
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