花占い‐はるかぜ‐
「すき、きらい、すき、」
白い花びらを一枚ずつとる少女がいた。
「きらい、すき、きらい、」
まじめな顔で丁寧に花びらをとる。
「すき、き…」
最後の一枚。
“きらい”と言いかけて、少し思案する。
「きらい、すーき!」
最後の一枚をとり、花びらのなくなったものをぽーいと放り投げてしまった。
潔い風が吹き抜けた。
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