dans le lent

あいむ

肩トン

「…つかれた。」

そう言って後ろから肩に何かがのっかった。

(え…なに…なにこの態勢…え…え!?)

目の端に、髪の毛が映る。

(わたしの、肩に、あいつの、あたま?えぇ!?)

「ちょ…お、おもいっ」

心臓がバクバクなってるのを抑え込みながら言った。

「おもくないだろ。」

「お、おもいっ」

顔が熱い。

ばれないことを必死に願う。

「…そんなにいやならやめてやるか。」

そう言ってため息をつき、肩に頭を乗せていたのをやめた。

「っ!?」

びくりと肩がはねた。

急に頭に手を乗せられ、くしゃくしゃと撫でられる。

「ばーか。」

それだけ言って、すたすたとわたしの前を歩いて去っていく。

(もう…わけがわかんないよ…。)

(ばかはどっちよ、ばーかっ)

その背中に小さく舌を出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る