発達障害者が異世界に?!

@u_tan7792

第1話 発達障害

早瀬結奈、21歳無職。というのも先日勤めていた工場をクビになったからだ。結奈はADHDという発達障害と、統合失調症、躁うつ病、不眠症などを患っており仕事に行きたくてもやる気が出ずただただ憂鬱で休みがちだったからだ。

結奈は仕事をクビになってから数日考えていた、こんなことでこの先生きていけるのだろうか、と。


昔からADHDのせいで衝動買いがひどく、金銭感覚もおかしかったため手持ちのお金が無くても人から借りたり後払い決済を使って買い物をして借金は100万を超えていた。それに統合失調症の症状で酷い幻聴や幻視に苦しんでいて、通院して薬をもらっても気休め程度にしかならなかった。何度も死のうとしたが恐怖が勝ってあと一歩わ踏み出せずにいた。


しかし今日の結奈は決心していた。

「死のう、もう、生きていても楽しみがない、苦しみから開放されたい」


準備しておいたロープは細いながらも頑丈なものでベランダにくくりつけて首にロープをかけた状態で飛び降りる予定だった。そうすることによって体重で飛び降りたときの衝撃で首の骨が折れて即死出来ると思ったからだ。準備を終えたあと結奈は母親の仏壇の前に座った。

「今からそっちにいくから、また沢山遊んで話して飲みまくろうね」


結奈の母親は2年前に49歳の若さで亡くなっていた。結奈と母親ら親子というより親友のような関係だった。そこに弟も加わり生活保護を受けながらも毎日楽しく過ごしていた。しかし母親が亡くなってから祖父母は結奈の精神病がストレスで娘は死んだんだと暴れ、弟はグループホームに入ることになり身内と言える人は誰もいなくなった。


「さて、この世界ともおさらばだね」


そう言って結奈はベランダに出た。秋の始まりで心地よい風が吹いている。結奈はベランダによじ登り手すりに跨るように座ると、ロープを首にかけた。ここは4階だ、仮に骨が折れる前にロープがちぎれても落ちれば死ぬだろう。


結奈は目を瞑り母親に会えることを祈り、ベランダから飛び降りた。

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