転生したら石だった話
神咲 普凛異(カンザキ ファイ)
転生
第1話 石になった日
スペック
年齢:20歳
性別:男
職業:
大阪の大学に入学し3日で
親は言った「鬱なんてただの気持ちの問題」親は頼りにならない
外出は3歩で嘔吐、家でも急に緊張し過呼吸や嘔吐を繰り返す
それが続き1年半
遂に単位が取れなくなり大学二年の夏”僕の留年が確定した”
「はぁ、いくら確認しても今月分振り込まれてない」
何度も何度も口座アプリを起動しては閉じるを繰り返す
表示される数字は 230円
「奨学金止まった…マジか…」
「とりあえず、コンビニ行って飯買うか…」
何も考えることができなかった
せめて何か食べよう
それが限界の思い付きだった
鍵を閉める
ガチャッ
エレベーターを降りる
一階です
歩道から車道へそして歩道へ
コツ コツ
いつの間にかコンビニへ
いらっしゃいませ~!
金はないが5000円くらいのアイスや弁当たばこをカゴに詰めレジへ向かう
「たばこ値上げか…まぁもう買えないんだろうな…」
ピッピッ
「4850円になります」
「はい」
「ありがとうございました~!」
会計を終え
自動ドアを抜け
顔を上げ空を見る
ポキッ
骨の鳴る音が静かな夜に
凝り固まった首が今日も鳴る
それに遅れてズサッと
乾いたレジ袋と弁当やアイスが
僕は目的のモノに
「今日も星は見えない」
そして無いモノは探しても意味はないので再び前に向き直し歩こうとした
が、そこはもう僕のいた世界ではなかった
さっきまであったコンビニはなく地面までない
あったのは夜より暗く影より薄く”何も無いがそこにある”それ以外は何もなかった
一言で表せば 【無】 目に映るすべて”何もない”があった
何も聞こえない
何も見えない
何も触れない
自分の体すら触れない
「なんだよここ…」
5億年ボタン5億年スタート並みの
「時間が分からない… 睡眠欲 食欲 性欲 全てない無い…」
「娯楽も無い…」
…それから体感1年たっただろうか僕はというと一人しりとりをしていた
人間1年くらい何も無くてもなんとかなるんだなぁ なんて思いながら
「ランボー ボウリング グリーンピース スリランカ かえんほうしゃき きんかい いんがおうほう うんぱんぎょうしゃ やんちゃ」
どこかに”ん”を入れる縛りしりとりを
そんな遊びにも飽きてきたころ
ぴちゃぴちゃ
「冷った!」
その瞬間とても強い光がフラッシュのように広がり
僕は声を上げる間もなく白い光に包まれていった
そから
お
「光、匂いも感じる…何があったんだ…」
「人?おばぁちゃん…」
目の前にいたおばあちゃんが僕に話しかけていた
「
それから少しニコっと笑ってお願い事の様な事を言っていた
「安らかにこの世を去れますように。」
狐神様?楽に死にたい?
せめて来世ではお金持ちになれますようにーとかだろうが
まぁ叶うなら楽に死にたいよな…
バタッ
何か倒れる音
音のする方に目をやる
「え?お、おばぁちゃん?おばぁちゃん!」
その音はおばぁちゃんが倒れた音だった
「おばぁちゃん死んじゃった?オイラやっちゃった?」
どうしよう…
何も思いつかない
キャハハキャハハ
そんなところに
「ふぅ、よかった誰か来たみたいだな」
「おーい!助けを呼んでくれー!」
キャハハキャハハ
「よぼよぼな人間が倒れてる!」
キャハハキャハハ
ん?
なんだか様子がおかしい
キャハハキャハハ
「おうちに持って帰って食べよう!」
おうちに 持って帰って 食べる…
おばぁちゃん食べられちゃうの!?
不味い!マズい!いろんな意味で絶対おいしくない!
てかあの子!”角”が生えている…
人間じゃないのか…
「よいしょっと、重いなぁ~」
おばぁちゃんは引きずられるようにして運ばれていった
な に も で き か っ た…
連れてかれちゃった…
何もできない
今は何も
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