【49】 収集クエスト

「エ、エクサニウムですか!?」


 そうおどくのは、店の奥から現れた亜人だった。耳と尻尾しっぽを持っていた。あれは、猫耳かな。可愛い女の子だった。


「壊れた玄関に使いたくてね。早くも『シャロウ』に目を付けられてしまってな……対策を打たねばならなくなった。それで早急に強化しようかと」


「む、無理ですよ」


 猫耳の女の子は、そうあわてた様子で言った。


「無理って、在庫がないのとか?」

「そうではありません。そのシャロウが全て買い取っていったのです」

「シャロウが!?」


 そこでワンダが補足を入れた。


怨敵おんてきとはいえ、ウチも商売だからな。金は必要だ」

「いいのかよそれ」

「仕方あるまい。なにをするにしても、金がなければ何も出来ない。世界とはそういうものだろう。まず、最低限の生活が出来るようにせねば復讐ふくしゅうもクソもない」


 足を投げ出し、気だるそうにワンダは言った。

 な~んで今日はそんなヤル気ないんだか。


「困ったな……」

「困りましたね、カイト様」


 二人で困っていると、猫耳の子が提案した。


「では、材料を集めてきてくだされば、ワンダさんが作ってくれますよ! マスターは、なんと言っても『錬金術師アルケミスト』ですからねっ」


「マジ? 収集クエストってことか」


「そうです。指定する収集品を集めて来てください。いいでしょ、マスター」


 そう少女は、ワンダに確認する。

 すると、


「……仕方ないな。リーベ、材料を教えてやれ」

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