短歌まとめ
川字
理科室
湯気の立つ白い陶器にはコーヒー
カフェイン性の緩やかな死を
「暗闇に光が見えて来たんです」
「アスピリンでも出してみますね」
ブラインド越しに射しこむ陽の軌跡
空気のかたまり モルフィンの音
カフェインが流れ込んでも染み込まず
夜のにおいに埋められてゆく
授業中 深青色に透けた笑み
手元に下げたフラスコの中
うつぶせで空をたべてしまっちゃって
「胃の内腔がよく見えますね」
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