第116話アメリカからの依頼




どうやらあの車に、美咲先生が同乗してくるらしい。

第2猪野研究所に、別件で立ち寄ったようで。

そして、俺らのことを聞き向かっている。


電話では、話せない内容と言われている。


それで思い出した。

メールにも至急会いたいが、何件もあった。

それとスマホにも同じようにあった。

少し悪い事をしたと、思いながら従魔らを離れや風呂へ追いやった。


「絶対に来るなよ」


『親分も、ひつこいぞ』


『そのおばさんが怖いのか?それとも変な顔をしているのか?知らんけど』


「そうだな、怒らせたら怖いかも・・・」


『怖いって、早く逃げるぞ』


『そうだ、そうだ。おい、おいらをおいて行くな』




目の前に美咲先生が座り、こっちには俺と瞳と和也の3人が座り、緊張していた。


「依頼拒否期間の提出が済んで間もないけど、アメリカから依頼が来ているの。日本のメーカーも噛んでいるらしいわ」


「何故ですか?誠を扱き使う気ですか?」


「依頼内容だけ聞いてみてから言って、この依頼にはあなたの会社にも利益があるのよ」


「和也、話だけでも聞こう。判断はそれからでいいだろう」


瞳は俺の手を、ギュウッと握ってきた。


「国名は控えるけど、アフリカの国で反乱が起きているの。反乱と言うより乗っ取りかも知れない」


「それで」


「あなたに依頼するから分かると思うけど、これは冒険者が起こした反乱で間違いないみたい」


「冒険者のデータはありますか?」


「これが主立ったデータだけど、抜け落ちた部分も多いの。なにせ抜けだしたCIAが少ないのも原因ね」


俺はそのデータを見ていた。

主犯の男は、イディ・アミンでカリスマの持ち主だ。

人を引き付けるだけの能力で、それ以外は無さそうだった。


それ以外は、名と年齢と性別が書かれいるだけで、100人ぐらい居るだろう。

これでどうしろと言うのだ。

これでは、調べながら戦うしかないぞ。



美咲先生の話を要約すると、アメリカの企業が現地で宝石発掘をしていて、新たなレアアースを発見。

それは今までの、魔石から100%の電気を取り出せる物だった。

現状は80%が限度だった。

これは、魔石から電気が取り出せる発見の、更なる発見であった。

そして、破棄されていた魔石に、新たに価値が生まれるのだ。

そんな矢先に起きた反乱であった。



その為に、そのメーカーはアメリカ政府に頼る羽目に成った。

アメリカ政府は軍事介入をためらっていた。

ロシアや中国に知れると、大変な事態になって収拾がつかなくなる。

その為の、俺の依頼だった。


家にやって来た車も、車製作に携わったメーカーも、アメリカメーカーと繋がっていた。

出資の50%を日本側が負担。新たな事業拡大の1つであった。

そして、そのメーカーは、破棄された魔石回収に躍起やっきであった。


「分かりました。それで報酬はどれ程になります」


「それは任して。任務が完了したあかつきには、今後の純利益の1割は必ず取ってみせるわ。後は交渉しだいねウフフフ」


「そうすると、美咲先生の報酬も凄いことになりますね」



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