しかの城
しかは窓辺で今日も待つ
しかめっ面だから「しか」
鹿とは関係ない
窓辺の小棚に乗り
お外を眺めながら寝る
しかは日の当たる場所を探している
たまにお友達が来る
窓の外にはお友達の食器
しかはいつも眠い
腕をだらりと小棚から垂らし
瞼を閉じて平になる
たまには一斤の食パンのように
茶色い身体を縮めて眠る
訪れる人も少ないギャラリーで
しかはいつも眠っている
しかが窓辺にいるだけで幸せ
しかの姿が見えないと不安
今は引っ越してしまったけれど
仕事の帰りや買い物の道で
私と妻はしかを見た
しかを見るのが楽しみだった
妻と私が仲良くなくても
しかはいつも眠そうにしていた
同じねこをみて、かわいいねと言ったふたり
私はたまに「しか」を見にきて
妻に様子を報告している
おかげさまでいまは仲良し
しかは今日も元気
いつの日か、ふたりであのギャラリーを訪ね
しかにおわびを言いたい
いつもジロジロ見てごめん
いつもありがとう
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