【書き手視点の考察】一人称か、三単現か。
さて、XさんがYさんに出会って……恋に落ちたり落ちなかったりする話には、
何人称で書くのかという問題がある。
当然、この人称話は明治の言文一致運動以降続く話で、新聞連載小説の祖『吾輩は猫である』は一人称。
ラノベは、というと……少し前のブログを拝見すると
§ 「ライトノベルは一人称文体ばかり」が本当か調べてみた
https://kazenotori.hatenablog.com/entry/2016/08/12/184957
§ 最近のラノベは一人称ばかり(ただの事実)。 ※なろうの話
https://ranobeprincess.hatenablog.com/entry/2016/08/13/030117
§ 電撃文庫の一人称率をあたしが調べてあげたわよ!
https://ranobeprincess.hatenablog.com/entry/2016/08/15/180005
『電撃文庫の一人称率をあたしが調べてあげたわよ!』のまとめを引用
◆『禁書』『SAO』『劣等生』といった古参作品や、ギャグからかけ離れたテイストの作品は三人称が多い
◆新人賞受賞作や新作、執筆歴の長い作家の作品でも『ネトゲ嫁』『天使の3P!』のようなギャグ要素のある作品は一人称が多い
まぁ、夏目漱石だって『猫』を連載開始した時は新人か。
さて、ギャグに限らず、個人的な感性を掘り下げる作品は一人称と相性が良い。
ギャグから入って恋愛でゴールした『俺ガイル』は、その典型か。
他方、「三人称だが単一主人公、主人公にとっての現在時制」(三単現)の作品は独特の世界観を前面に押し出すのに向いていると思われる。まさしく、上の『禁書』『SAO』『劣等生』あたり。
書き手としては、一人称、三単現、両方書けた方がいいのは当たり前だが、
ある作品を書き出す際には、《独特の世界観》度(?)を考慮して人称を決定すべきと思った(最近思い知った)。あと、三単現で書いておいて、SSで一人称展開というのは容易にできるけれども、逆は難しそうだというところも。
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