第32話

「ん。んんん」

 僕は目を覚ます。

「知らない天井だ」

 知らない天井。

 ……知らない天井。

 知らない天井!?

 おかしいやろがい!

 僕は飛び起きる。

「どうなってんだ!?」

 僕は周りを見渡す。

 どこだ?全然知らない。

 あの黒い人は?どうなっているんだ。意味がわからない。明日香と桜が倒した?いや、そんなわけ。

 そんなわけがない!

 どういうこっちゃ!

 死んだ?いや、だとしたら今僕は異世界に居るはず。

 異世界にはこんな現代的な部屋はない。

 ありえない。そもそも僕は魔王との一騎打ちの末同士討ちになったはずだ。

 なので、異世界に行くのであれば魔王と戦うの少し前に戻るはずである。

 つまり、どういうこっちゃ。

 僕は今、困惑の頂点に立っていた。

「あ、起きたの?」

 ドアが開き、明日香が僕がいた部屋の中に入ってくる。

「な、何が起きたの?黒い人間は!?」

 僕は明日香に疑問を投げかける。

「あぁ、やっぱり覚えていないね」

「覚えていない?」

「えぇ。あの黒い人間。零が倒したのよ?」

「え?僕が!?」

 え?あの化け物を俺が倒したって言うのか?

 うっそだー。

 ……一応ステータス確認しておくか。

 なんか変わっているかもしれない。

 

 名前:間宮 零

 レベル:100(進化可能)

 種族:人間種

 称号:勇者

    ■■■■■■■■■

    ■■■■■

 体力:A+

 魔力:SSS

 攻撃力:S+

 防御力:A

 俊敏:SS

 精神力:A

 運:error

 固有スキル:【災い転じて福となす】【英雄之伝説】

 ユニークスキル:【聖剣】【究明】

 エクストラスキル:【魔眼】【未来予知】【英雄覇気】【精神支配】【多重結界】【無限収納】【空間操作】

 スキル:【刀術:MAX】【体術:MAX】【投擲:MAX】【弓術:3】【弱点看破】【【魔力察知】【気配察知】【罠察知】【魔力遮断】【気配遮断】【鑑定妨害】【察知妨害】【万能言語】

 耐性:【物理耐性】【魔法耐性】【熱変動耐性】【自然影響耐性】【精神攻撃耐性】【病魔無効】【状態異常無効】【呪い無効】【即死無効】

 

 ……ん?なにこれ。

 どうせ何も変わっていないと思いつつ確認したんだが、ガッツリ変わっているじゃんか。

 色々と突っ込みどころがある。

 レベルって最高99じゃなかったのか、とか、進化可能ってなんぞや?とか、なんか■■■■■で見えなくなっていた固有スキルが見えるようになっているとか。

 まぁ色々ある。

 だがしかし、だがしかしだ。

 最も重大かつ重要な問題がある。

「ユニークスキル【傲慢】がなくなっているぅぅぅぅぅぅううううううううう!?」

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