第14話

「はい、はい、はい、ごめんさい」

「いや、あのね。別に責めているわけじゃないんだ。君がしてくれたことは、私達にもたらしてくれていることは非常にありがたいことなんだ」

 僕は今自衛隊のお偉さんにペコペコ頭を下げていた。

 あの後、一分ほど現実逃避した後このまま逃げるかどうかを検討し、さすがにやばいなと思ってやめた。

 転移で戻ってきて自衛隊の人たちに謝罪と状況説明を行ったところあれよこれよという間に僕は奥へ奥へと通され、今ここにいる一番えらい人と話すことになった。

 なんか知らんが、総理大臣とかのガチのお偉さんも僕と会いたいと言う話を聞いて震えた。

 まぁ異世界とかでは王様とかにも会っているのでそんなにな気もするけど。

 何なら異世界で王女様とも付き合ったしね。

 あれ?なんだろう。

 総理大臣がしょぼく思えてきたぞ?

「私は君は今の状況の希望になってくれるんじゃないかと思っているんだ。君の功績、そして力を私達は評価している。評価させてもらっている。しかし、ご遺体というものを扱うとなると丁重に扱わなければならない。わかるね?」

「はい」

「わかってくれるならそれでいいんだ。それでなんだが今回のこと、避難してくれている方々に説明しなければならない。そこでなんだがどこまでなら話していい?いや、というよりは君はどこまで知っていて、どれほどの強さを持っているんだい?そして今回のこの騒動にどれほど関わっているんだい」

 僕に投げかけられる核心に迫る質問。

 はて、どこまで話していいものやら。

 うーん。非常に悩ましい。とりあえず話せるところから話すか。

「まずはじめに言っておきたいことなんですが、僕はこの騒動に関与していません。一体何が起きているのかどうかは僕にもわかりません。そして次に強さですが、おそらく人間の中では最強です。そして倒せない魔物はほぼほぼいない、と予想しています」

「なるほど。ではどこでその力を?」

「……すみません。それは話せません」

 悩んだ末、話さないことにしておいた。

 いきなり話すのには少し抵抗が残る。

「ですが、あくまでまだです。これから多くの関わりを持たせていただき、信頼に値する相手と判断したときに話させてもらいます」

「承知した。我々も君の信頼を得られるように尽力しよう」

「すみません」

「いやいや、君が謝ることではないよ。むしろ謝るべきはこちらの方だ。我々の任務は君たちを守ること。そのくせに君のような少年の手を借りているのだ。改めて礼を言わせてもらおう。ありがとう」

「いえいえ、当然のことをしたまでです」

「ありがたい。君のような人格者でよかった。それではまず他のみなにどこまで話していいのだろうかということなんだが……」

「あーそれはですね」

 僕はこの後どこまで話すか。

 自衛隊のお偉さんと避難している人たちに向ける放送の内容を考えるのだった。

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