消えた少年は異世界で魔王になっていた。
ありま氷炎
前編
★魔王
「陛下。今度の勇者は魔界に侵入することに成功しています」
「ふん。それが大きな問題か?」
側近のガタカの報告に魔王は鼻を鳴らす。
「いいえ。ただ気になることがありまして」
「なんだ?」
「今回の勇者は異世界ニホンから召喚された者で、あなたを殺すことが可能です」
「ふん。この俺をか?これほどの力を手に入れた俺が負けるわけがない」
「そうですね。余計なことを申してしまいました」
蛇を連想させる白い鱗の肌に真っ赤な目をした側近ーーガタカは深々と頭を下げた。
それを手で制して、魔王はそのまま退室を促す。
誰もいなくなった部屋で一息つくと、顔を覆っていた禍々しい髑髏の仮面を外す。
現れた顔は、薄い橙色の肌に漆黒の髪、瞳は黒に限りなく近い焦げ茶色、普通の人間の青年のものだった。
海部野(あまの)ユキト、そう呼ばれていた少年は今や魔王になり、この世界マグネスティアを支配していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます