第10話 約束

「なんて、なんて綺麗な歌声なこと。」

かぐや姫のおばあさんは腰を抜かしてしまった。

「ばあさん大丈夫か。」

オオカミは意を決し、口を開く。

「かぐや姫さん…

 おれ、浦島さんに正体明かしに行きます。」

かぐや姫の顔が綻ぶ。

「ほんとうですか?

 よかった。」

「それと…俺、かぐや姫さん…」

オオカミの顔がいくらか赤らんだ。

「いや。

 かぐやのことが!

 好きだ!」

かぐや姫は目を見開いた。

「えっ?」

「こんな俺じゃ、ダメかな?」

「いえ。

 ダメじゃないです!

 私と一緒に浦島さんに正体を明かしに行きましょう!

 生きてきた世界はまるで違うけど、

 これからは同じ物語をともに作っていきましょう!」

暖かいなにかが二人を包んだ。

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