野上くんは理想のカノジョと付き合いたい!!〜ハーレムしたいわけじゃない〜

佐原さばく

第1話 黒髪ドジっ子ちゃんは、限度を知らない!

「野上くん!初めて話した時から、惹かれてて好きになりました。私と付き合って下しゃい!」


「ごめんね、僕はキミとは付き合えない。」


この場面に行く前に、少し時をさかのぼろう。

僕の在籍しているこの高校、並木高校は、男女共学の普通科高校である。僕は、高校二年生をしている。そう、今や二年生。やらなければいけないことがある。

受験?違う、部活?違うそんなものじゃない!!


僕は、理想のカノジョと付き合いたい!!


僕は色々な女の子達とお話(面接)をしていた。そうして、気を持たれてしまい、今日こんにち、僕は藍沢糸織あいざわしおりに告白されてしまった。



藍沢糸織。僕と同じクラスの女の子だ。小柄だが、付くところには、しっかりと付いていて、スタイルは合格だ。綺麗な黒髪で肩の辺りで切りそろえられたボブが印象的であり、あのタレ目を見て怒鳴れるものはいない程可愛らしく、ルックスも合格だ。

しかし、とてつもなくドジっ子ちゃんなのだ。なぜだ、なぜなんだ。ここまで良くて最後になんで崩しちゃうんだよぉぉ!!!!

可愛いなんてレベルじゃない。階段を登れば僕の上に落ちてくる。シャーペンを貸せばなぜか、別の人に返してしまう。しまいには、今この瞬間噛んだぞ!ナシだね。僕にはナシだ。


「はわわわわ、私、噛みまみた?!」


「お前は、どこの八九時家はちくじけなんだ」


「野上くん、でも私諦めませんからね」



野上くん。ドジっ子ちゃんが仲間になった。


少し、僕について語っておこう。

ただの十七歳高校生。この世の全ての女性から、たった一人の理想の女性を探し出す。見た目はイケメン中身は仏。そう、俺の名は、、


「野上くん、野上くん、野上慎也くん。」


「なーんで大事な時に入ってくるんだ。てかなーんで分かったんだ」


「そ、そんな気がしました。」


「怖っ!超能力者かよ。ドジ子よ、俺はもうフッたんだぞ。どうしてそう、もう普通にしていられるんだ」


何を隠そう、告白があったのは今日の朝だ。

糸織の目が潤んできた。


「ドジ子なんて酷い、自分ではどうにもできないんですよぉ。それに、こうやって接するのも、私を好きになってもらうためなんですから!!」


え?もういいじゃん。この子俺の事めっちゃ好きじゃん。こういうのって理想なんじゃないの。恋のキューピットが目の前に見えるんですけど、あぁこっちを狙って来るのが見えらぁ。


ドスッ。


え!?恋のキューピットの弓の音じゃないよコレ。なんか、急に真っ暗になったんだけど。


ムニッ。


「キャッ」


後は皆さん察してくれこの後の展開を。


「何してんだ!野上!内の糸織たぶらかしてんじゃねぇぞゴラァ」


やっぱり無理無理無理無理。あんな何も無い所でコケねぇだろ普通!




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