第34話 極秘事項

 本日、異世界5日目!


 今日はクエストを受けずに、モニカさんと狩りに行きます。


「モニカさん!おはようございます!

 今日はよろしくお願いします。」


「ユメさん!みなさん!おはようございます。

 こちらこそよろしくお願いします。

 はじめて装備を身に着けたので、すごく動きにくいですけど頑張ります!」


 モニカさんは、なにを身につけても似合ってます。


「それじゃ、行きましょう!」


 いつものように、門を出て岩陰まで行く。

 ここでうまく説明しないといけない。


「モニカさん、ちょっと約束してもらいがあります。今からすることを他で言わないで欲しいんです。極秘事項です。


 まずは、カグヤ様は、実は話すことが出来ます。」


「モニカ!うちは神の使いやから、いろいろできるねん。

 これ秘密にしといてや。

 よろしゅう頼むで。」


「あ、はい!」


 うわー、モニカさん腰抜かしてしもた。

 これ序の口なんやけど。


「モニカさん。こんなので驚いてたら、先が持ちませんので、耐えてくださいね。

 続けて大丈夫ですか?」


「あ、はい、すいません。続けてください。」


「はい、毎日早く帰ってくるのには訳がありまして、いつもカグヤ様に乗って、東の森に行ってるんです。

 カグヤ様はスキルで僕たちを乗せれるくらい大きくなれます。

 実際に乗ってもらった方が、聞くより早いと思うんで、後で乗ってもらいます。

 ただ、見つかると面倒なので、僕たち全員で隠密と言うスキルを使って、姿を消して、飛んでます。

 今回、モニカさんだけ、隠密が使えないので、ハガネさんとコガネさんで、極力見えないように挟み込んでもらいますからね。

 僕たちが隠密スキルを使うと見えなくなりますから、怖いと思いますが、身を委ねてください。安全に行きますから。

 それじゃ、カグヤ様!見つからない程度に大きくなってもらえますか?」


「オーケー。よう見ときや。」


 もう、たぶん、モニカさんついて来れてない。ポカンとしてるよ。


「モニカさん!大丈夫ですか?」


 あかんな。もう、強行しちゃお。


「それじゃ、行きますね。

 ハガネさん、コガネさん、モニカさんをはさんでください。

 じゃ、隠密かけてください。

 いきましょう!」


「わー、みなさん消えました。」


「私たちが、挟んでるから大丈夫ですよ。」

「そうなんだよ。モーマンタイ!」


 僕たちは、カグヤ様号に飛び乗った。

 モニカさんが、ものすごく震えている。

 僕の背中の上で……。


「ちょっと!ハガネさん!コガネさん!

 なぜ、モニカさんを僕の上に乗せるんですか!」


「そうしないと私たちがお頭に密着出来ないじゃないですか。」

「そうなんだよ。この方法しかないんだよ。」


 モニカさんが、僕の背中にしがみつくような体制になってるんで、不謹慎ですが、すでにパオーン状態です。


「モニカさん、大丈夫ですか?」


 あかん。声も出せへんみたいだな。


「今回は、僕だけ隠密解除します。

 モニカさん、聞こえますか?」



「あーー、怖かったです〜。

 ユメさん、見えました。

 このままでお願いします!!」


「了解です。

 ハガネさんとコガネさんでガードお願いします!

 じゃ、カグヤ様!よろしくお願いします!」


 いつもより、密着密度が上がりました。モニカさんが、いろんなところ掴むので、変になりそうです。



 そうして、東の森の手前に着きました。

 モニカさん、なんとか耐えました。パチパチパチ。


 ただ、モニカさんは、まだ動けそうにないので、ちょっと休憩することに。

 休暇中は、モニカさんがいても関係なく、幸福サンドウィッチはするんですね。大胆。


「怖かったけど、ユメさんの背中はちょっと気持ちよかったかもです。」


 惚れてまうやろ〜!

 この人、天然水?

 このハガネさん、コガネさんの密着プレイを見ても動じない上に、そんなコメントが出せるなんて、すごくない?


 では、そろそろスライム探索に行きましょうかね?




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