第22話 ギルド支部長

 宿を出て、冒険者ギルドに向かう。

 が、やっぱり注目されている。

 ザークさんは、気にせず進んでいくが、年配の方が、ザークさんに声をかけて何やら聞いていたが、僕がアキラの孫だと分かると、たくさんの人に囲まれて、皆さんに挨拶をすることに。一様に笑顔で迎えてくれた。

 ただ、そこからは、ありがたいんだけど、進まない進まない。辿り着くまでに日が暮れそう。



 それでも、なんとかたどり着き、冒険者ギルド エンジェル領支部の中に入ったのだが、ギルド支部の中も同じ状況です。

 もう情報が行き渡っているのか、まさに人だかりといった状態です。

 それでもみんな暖かく迎えてくれるので、ありがたい。身動き取れないですけど……。



「おい!ザーク!黒髪と一緒に、支部長室に来い!」


「おー、わかった。

 みんな!すまないな。ユメたちも一緒に上がるぞ!」


 ザークさんに付いて、階段を登って支部長室に入る。中には、支部長と思われる綺麗な女性が、待っていた。

 この人は、なんというか、他の人とは違うヤバい感じがした。いろんな意味で。

 すぐに鑑定したのだが、確かにヤバい!

 ヤバすぎる!


〈ステータス〉

 ソフィア 40歳 レベル48

 称号 冒険者ランク10(紫)

 ジョブ 大魔道士

 HP 960/960 MP 1040/1040 BP 1760

〈スキル〉

 初級魔法(水)レベル8

 中級魔法(水)レベル6

 上級魔法(水)レベル3



「冒険者ギルドでエンジェル領支部長をやっているソフィアだ。まあ、掛けてくれ!」


「あー。」

「失礼します。」



「早速だが、話は聞いたぞ。

 お前が、アキラの孫か?」


「はい、初めまして、マサユメです。ユメと呼んでください。

 こちらがハガネさんとコガネさんです。

 肩に乗ってるのがカグヤ様です。

 よろしくお願いします。」



「こんなことがあるんだな。

 確かに言われれば、そうだな。

 事変のことは聞いたか?」


「はい。」


「私もこの街の出身なんだよ。

 当時10歳だった。

 成人の儀を終えて、冒険者になりたての頃だったよ。うちも貧しくてな。

 幸い、最初の天啓で戦闘職を授かったので、冒険者になって少しは稼げるようになったが、もし違ってたら、当時なら、身売りされていたかも知れない。そんな時代だったよ。


 そうか、アキラの孫か。

 アキラは、ここを第二の故郷だと言ってくれたよ。お前もそう思ってくれると嬉しい。なんでも頼ってくれ。」



 ありがたいな。本当に暖かい人と街だな。


 と同時に、ものすごく頼りたい!

 この人、ゲキ強な上に、この容姿とこのスタイル!とても元同級生には見えません!


「ソフィアは、ここの支部唯一のカラーズだ。

 まあ、逆にカラーズでないと支部長にはなれないんだがな。

 最初の天啓でいきなり3次職を授かった超レアな奴だ。それで、事変前はギルドで情報を隠蔽してもらってた。事変後はオープンになったんで、みんな驚いたよ。」


「あの〜、わからない単語が出て来て、ちょっとついていけないというか。」


「おー、確かに、すまないな。ソフィア!

 ユメなんだけど、ギルドのことを教えてやってくれ。アキラと同じで、ここに来た時点で、この世界の記憶がすっぽり抜けちまってる。


 まず、この街の名前は、イガタウンだ。

 変な名前だが、親父が領主になった時に変えたんだ。アキラに由来しているらしいが、よく知らん。

 あと、ユメたちは、うちの家族だから、今日から、ここ、イガタウン出身ということだ。手続きは勝手に親父が手配してるからなw。」


 由来ってそのまんまやんw

 ただ、本当に第二の故郷になったんやなぁ。

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