第8話 契約の時間です?

「それじゃ、お頭!契約しよ!」


「はい、それでは、まずは先に姉である私から契約しますね。お頭!」


「違うよ。そこは妹に譲るんだよ。」


「いえ、まずはお手本が必要ですから、姉が先と決まっています。」


 あ、双子だけど、ハガネさんが姉で、コガネさんが妹なのね。まあ、そうでしょうね。


 僕とのキスの順番で、すごい揉めてるんですけど。そんなポジションになる日が来るとは、想像できたでしょうか?

 僕は、今、猛烈に感動している!

 あー、夢なら醒めないで〜。


「あのー、先か後かで何か変わるんですか?」


「多分、変わんない。」

「そうですね。多分、変わらないと思います。」


「じゃあ、順番にこだわる理由はなんでしょうか?」


「理屈じゃないの!」

「はい、理屈じゃないんです!」


 すごく仲良いんだよね。

 なんかわからないけど、譲れない戦いがある!ってやつですね!


「ほんじゃ、3人で一緒にってどうですか?」



「うん、いいよ。」

「はい、それはありですね。ふふ。」


 おーー。なんかあっけなく決着した。

 となると、いよいよ本番に突入ですか!!

 登り棒か?登り棒か!2回言ってしもた。

 なんかまた、テンション上がってきた!


 もうすでに、準備万端。

 すぐ目の前に彼女達の顔がありますよ。


 苦節40年、長かった。実に遠かった。

 けど、異世界に来て初日でこんな展開になるとは!ありがたや〜。


「ほんじゃ、せーのでお願いします。」


「「はい」」


 わー、緊張する〜!



「せーの!」


『ちゅっ!』


 うわー、柔らか〜♪

 これが夢のキッスか〜♪

 幸福〜♪ 接吻〜♪


 と思ったのも束の間、魂になんか入ってくるー!なんか入ってくる〜!入ってくる〜!



「「「あ゛ーーーーーーーーーーーー」」」



 3人で同時に叫んでいた。と同時に3人とも、立っていることが出来ずに、しゃがみこんだ。


 超絶気持ちいい!猛烈気持ちいい!

 エネルギーが湧いてくる感覚が続いてる!

 なんじゃこりゃ〜!

 脳内ドーパミン爆裂状態!

 脳天突き抜ける〜!突き抜けちゃう〜!



「「「あ゛ーーーーーーーーーーーー」」」



 少しの間、放心状態になっていた。

 気持ち良すぎて、ちょっと、おしっこちびってしもた。



 見ると僕だけでなく、彼女達2人も恍惚の表情を浮かべていた。多分同じことが起こっていたのだろう。おしっこちびったかどうかはわからないけど。



 そして、少し経つと、彼女達は少し涙を浮かべて、僕を抱きしめた。挟まれた。幸福のサンドウィッチ。いろんな意味で挟まれてます。


「お頭!意味がわかったよ!」

「はい、わかりました。お頭!」


『『ムギュー!』』


 あ、そんなにされたら。あー。


 とにかく、物分かりの早い彼女達。

 僕はまだよく分かってないんだけど、幸せって意味がなんとなく分かったような気がする。


 ともあれ、ここまで、異世界に来てから、まだ、数時間しか経ってないよね。濃密でクリーミーな時間が過ぎてゆく。


 あー、本当に夢なら醒めないでください〜!

 これからも頑張りますので、よろしくお願いします!


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