第4話 私の仕事の話②

「適当だねぇ」


「さすがに言ったよ、マジで勘弁してよーって思ってさ」


「何を言ったの?『適当過ぎる』って?」


「『適当過ぎる』って違う子には言っちゃったけど、本人には『同じ住所なんだけどー』って言ったよ。謝んないよ、全然。『いや、違うんですー』って、いや違うのわかるけどって話じゃん、こっちからすると」


「うん」


「『私のお客さん、吉澤さん、いっぱいいるんでー』って。違う吉澤さんち行っちゃったんだよね、私。ナビで。そこが変わってんだよね、めちゃくちゃ。で、怒られはしないけど・・・・・・ま、いいやって」


「とんだとばっちりだな」


「そうだよ。みんな知ってるからさ言ってさ、先輩が『1人で回った方が楽じゃない?』って。『ですよねー』って。まぁ、仕方ない、今月頑張る」


「なんで2人で回んなきゃいけない?」


「私は時給制じゃん、その子は歩合制だからその子の売り上げにしなきゃいけないから。ほんとはその子が1人で回って売り上げ立ててってやんなきゃいけないんだけど

1人で回れないから」


「ふwなんで?」


「妊娠してるから?」


「で、どうなんの?いつまで?」


「今月いっぱいやって来月から歩いて回るの、会社の近く」


「近場をね。売れないんじゃないの?それ」


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