11月23日


池に居る鯉たちを見ていると、皆が皆「餌くれ餌くれ」と、こちらに大きな口を開けて集まってくる。

それを側で眺めていた僕は、「鯉には喉ちんこが無いんだなぁ」などと、彼らの口元を覗き込みながら、陽気な日差しの中、ぼんやりとそう考えているだけなのであった。



川に舞い降りた青鷺あおさぎは、その川に住むどの生き物よりも大きく偉大で、浅瀬をのっしのっしと闊歩する姿は、まるでジュラ紀の恐竜がその川にだけ蘇ったかのように見えた。


⬜︎

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