第117話 暖かい炬燵

 





 ◆かえで視点






「さ、流石お姉ちゃんだよ! ま、まさかこんな事になるとはね......」

「ぴえーん超えてパオーンだよ! 私のお胸が拡散されちゃったよぉ〜葵ちゃん〜かなちいよぉ〜むぎゅう♡」

「お姉ちゃん、苦しいよ......まあ、服着てたし顔も映ってないから......大丈夫だよ」


 おっぱいで有名に何かなりたくないよぉ。もう無理、エルちゃんと葵ちゃん抱いて心の傷を癒すもん!


「んぅ? かえでねーたん?」

「エルちゃんもむぎゅう♡ あぁ、やっぱ最高の抱き心地♡ エルちゃん、お姉ちゃんとぴったんこしよ♡」

「ぐぬぬ......!? く、くるちいの!」

「うふふ♡ エルちゃああああんんん♡ チュッ♡」

「んみゃあああ!?」

「こっちにもチュッ♡」


 ぐへへ......やっぱりエルちゃんを抱かないともう生きて行けない身体になってしまいました。エルちゃんが可愛過ぎるのがイケナイのです♡ これはエルちゃんに責任を取ってもらいましょう♪


「西園寺エリカ......お姉ちゃんの人気凄いねぇ。ネットの方で凄い盛り上がってるよ」

「え?」

「今日のトレンドに#モモネちゃんのお姉ちゃん、#爆乳、#最強のVTuber爆誕、#西園寺エリカ、#お姉様、#女神様とか色々上がってる」

「そんなにトレンドを身に纏いたくは無いけどね。まあいいかぁ......配信は気が向いた時にやるとして〜今はエルちゃんとイチャイチャするの!」


 過ぎた事は気にしても仕方がありません。エルちゃんとイチャイチャしたら、今日は家で何をしようかしら。エルちゃんにお勉強を教えるのはいつも通りとして、たまには違う事をしたいわね。


「しかし、冷えるわね......葵ちゃん、炬燵こたつでも出そうか」

「良いね。もう12月も近いしね。押し入れに確か眠ってるはず」


 良し、そうと決まればリビングに早速炬燵を出しましょう♪ 炬燵に入りながら、クリスマスに向けて必要な物をネットで注文もしておこうかしら♪ 今年は色々な人を呼んで、エルちゃんの為に盛大にクリスマスパンティーを開きたいわね♡


「んにゅ? こたちゅ?」

「うふふ♡ これから出すから使えば分かるよ。あれは人をダメにする恐ろしい物なの」

「お、おそろちい......こ、こわいのやっ!」

「あらあら、エルちゃんそう言う意味での怖いでは無いから大丈夫だよ♪」


 ん〜頬っぺたスリスリ♡ エルちゃん、お願いだからこれ以上可愛くならないで! エルちゃんがこれ以上可愛くなったら、お姉ちゃん天に召されちゃうよぉ!! 一応エルちゃんの尊さで心肺停止しても大丈夫なように各部屋にそれぞれAEDが1つずつ設置してはありますが......


「んん〜かえでねーたん」

「んふ♡ エルちゃんの肌は本当にモチモチしてて気持ち良いわね♡ あ、動かないで♡ 動いたらチュッチュッしちゃうからね♡ あ、もうチューしちゃった♡」

「ふぇええ!? あおいねーたん、たちゅけて!?」

「エルちゃん......暫く大人しくしとけば大丈夫だから。そうなったお姉ちゃんを止める事は私には無理かな」

「んん〜♡ くちゅくちゅ......ぺろり♡ エルちゃんぐへへ♡」


 エルちゃんを抱いてると暖かくて色々と捗るわ♡ もう♡ そんな唆るようなお顔されちゃったら、お姉ちゃん我慢出来ないよ? 良いのかしら? てか、もう既に手を出していますけどね♪


「あ、エルちゃんオレンジジュース飲みたい?」

「むむ!? じゅーちゅのむ!」


 コップじゃなくて、今日は哺乳瓶にオレンジジュースを入れて私が飲ませてあげるようかな♡ エルちゃんは小柄で軽いので、私みたいなか弱い女性でも楽々と抱っこが出来ます♪


「お姉ちゃん、押し入れから炬燵出すの手伝って」

「は〜い♡ エルちゃん、ちょっとリビングで待っててね♪」

「はいなの!」


 楓はエルちゃんを抱っこしてから、リビングに行きソファの上にエルちゃんを降ろした。そして、楓と葵ちゃんは、押し入れから埃被った炬燵を取り出す為2人でリビングに持ち運ぼうとしていた。






 ☆一ノ瀬家・リビング☆






「良し、炬燵の掃除も完了! 今日はのんびりしよ♪」

「炬燵は冬の醍醐味だよね〜炬燵入ると眠くなっちゃうからダメ」

「そうだね、エルちゃんとタマちゃんは気に入るかな?」

「ふぇ?」

「にゃーん♪」


 では早速電源を入れちゃいましょう♪ 哺乳瓶に入れたオレンジジュースと机の上にみかんを置いたら後は炬燵に入ってゴロゴロするだけです。


「ところでお姉ちゃん。何でオレンジジュースの容器がコップじゃ無くて哺乳瓶なの? しかも、私のも哺乳瓶何だけど......」

「うふふ♡ エルちゃんに呑ませてあげようと思ってたんだけど、葵ちゃんにも膝枕しながら飲ませてあげようかなと思って♡」

「お姉ちゃん、頭大丈夫? 最近変な物でも食べた?」

「大丈夫〜私は可愛い女の子が大好きな健全な変態だよ〜」

「健全な変態とは......」


 まあ、流石に外では真面目ですよ? 私が変態になるのは家だけです。葵ちゃんが汚物を見るかの様な視線で私を見る表情がゾクゾクしちゃう♪ 


「エルちゃん〜お姉ちゃんの膝の上においで♡」

「んみゅ!」

「エルちゃん、この中に入ると暖かいんだよ〜」

「あたた......あた......あたちゃかい......あうっ」

「ぐふっ......♡」


 暖かいを噛んで言えないエルちゃんが尊しゅぎる♡ 思わず反射的に抱きしめてしまいました。最近思う事が、私休みの日の半分......いえ、半分以上エルちゃんを抱いている様な気がしますね。


「ふぇ? あちゃたかくないの......」

「あ、今電源入れた所だからこれから暖かくなるよ〜それまでお姉ちゃんとぴったんこしながら温まりましょうね〜♡ オレンジジュース飲ませてあげる♡」


 さて、早速みんなで炬燵に入って温まりましょう!


「お姉ちゃん、何でそっちじゃなくてこっちなの」

「葵ちゃんの温もりも欲しいお年頃なの♪」

「はいはい、狭いからそっちに行ってよ」

「あらあら、そんなツンツンしちゃって♡ よしよし♡」

「もう......お姉ちゃんのアホ、バカ、変態」


 あら、罵倒はいつもの事だけど珍しく葵ちゃんが私を素直に受け入れているわ♪ やっぱり葵ちゃんもいくつになっても甘えん坊さんですね♡


「は〜い、エルちゃん〜オレンジジュースでちゅよぉ♡」

「んみゅ......こっぷちがうの」

「これも立派なコップだよ♡ それともお姉ちゃんのミルクの方が良かったでちゅかぁ?」


 エルちゃんを甘やかしたいと言う衝動が抑えられません! 母性が全身から溢れ出そうな程に身体が火照っています。今なら乳首から新鮮な母乳がドパドパと出そうな気がします♪


 今日はエルちゃんのお姉ちゃんでは無く、エルちゃんのママとして沢山甘やかしてあげるんだから♡ エルちゃんが将来グレないように、今のうちからしっかりと愛情を注いで上げなくちゃなりません! それは葵ちゃんも同様です!


「あらあら、エルちゃんそんな照れちゃって〜恥ずかしいのでちゅかぁ?」

「んにゅ......」

「よしよし♡ エルちゃん、今日お姉ちゃんと一緒に何かしたい事ある?」

「んみゅ! かえでねーたんといっちょにあそぶの!」

「あらまぁ♡ 魔法少女みくるちゃんごっことかする?」

「しゅる! あとおえかき!」


 休日に妹と遊ぶのも私の趣味でありお仕事です♪ 勉強も大事ですが遊びも大事♪ 流石に外で変身ごっことかをするのは、私が恥ずかしいので家に居る時だけですけどね。


「なるほど、じゃあ先にお絵描きしよっか〜じゃあ、お姉ちゃんがエルちゃんの似顔絵書いてあげようか?」

「んみゅ! ボクもかく!」

「うんうん♪ 葵ちゃんもお絵描きする?」

「私は横で見てるよ。お絵描き自信が無いし......」

「そっか、なら葵ちゃんの似顔絵も書いてあげるね♪」


 こう見えても私は絵を描くのが得意な方なのです♪ 学生時代にBL関係の漫画を書いて画力上げの練習を沢山したからね♪





 ――――――15分後――――――





「できたの!」

「おおぉ! エルちゃんお上手でちゅね〜♡」

「かえでねーたんとあおいねーたんだぉ! えっへん!」

「よしよし♡ エルちゃんお絵描き好き?」

「ちゅき! たのちい!」


 エルちゃんの書いた絵は歳相応の似顔絵ですが、私はエルちゃんが一生懸命書いた作品は美術館に展示されている絵と差程変わらないと思っています。エルちゃんの書いてくれた絵は、しっかりと1枚ずつ大切に保管してますからね♪ 


「エルちゃん、お姉ちゃんが書いたのも見たい?」

「かえでねーたんのみゆ!」

「うふふ♡ 私のは結構な自信作よ♪」


 葵ちゃんとエルちゃんが戯れている絵を描きました。似顔絵だけではなく、しっかりと全身を書いて葵ちゃんのパンチラしてる姿も......ぐへへ♡


「しゅ......しゅごいの!」

「流石お姉ちゃん! と言いたい所だけど、何で絵の中で私パンチラしてるの? しかも、このパンツの周辺や胸周りだけ凄くリアル......」

「頑張って書いたの♪ ほら、ここの葵ちゃんが穿いているパンツの皺と滲みはリアルでしょ♪ この胸の膨らみも......」

「うんうん、この絵は没収ね♪」

「そ、そんなぁ......しくしく」


 まあ仕方無いわね。私が人間の体で最も書くのが得意な場所は、胸と顔とあそこですから♪ BLやエロ同人誌の資料を参考に書いて練習したら、中々の物が描けるようになったのです♪


「んにゅ......あちゃたかいの」

「炬燵の方も暖かくなって来たね♪ エルちゃん、お姉ちゃん、蜜柑食べようよ」

「うんうん♪ 炬燵で蜜柑を食べるのは至福の時よね〜」

「んぅ? みかん?」

「甘くて美味しい果物だよ〜ほら、このオレンジ色の果物がみかん♪」


 エルちゃんはまだ蜜柑を食べた事がありませんでしたね。食べ物の事になると敏感に反応するエルちゃん。私はエルちゃんが美味しい物を食べてる姿を見るのが大好きです♡ エルちゃんが笑顔で美味しそうにもぐもぐと食べる姿は、まさに癒し♡


「みかんは皮をこうして剥いて食べるの♪ エルちゃん上手に剥けるかなぁ?」

「んみゅ!」


 私が蜜柑の皮を剥いて見せてあげると見様見真似でエルちゃんも真剣な表情で蜜柑と向き合っています♪


「エルちゃん、こうやって剥くと綺麗に剥けるよ〜」

「あおいねーたん、かえでねーたん......むずかちいの」

「あらあら、仕方無いな〜♪」


 葵ちゃんとエルちゃんが戯れてる光景を見るだけで、もう私は満足です♪ 私の膝の上には我が家の可愛い天使ちゃん事、エルちゃん♡ そして、その横には世界一可愛い妹の葵ちゃんが私の身体にさりげなく密着しています♪


「エルちゃん、はい♪ あ〜んして♡」

「はむっ......もぐもぐ......むむ!? みかんおいちい!」

「それは良かった♪ 沢山あるから好きなだけ食べて良いよ」

「エルちゃん、私も食べさせてあげるね♪」


 私と葵ちゃんで交互にエルちゃんのお口に蜜柑を持って行ってあげると、小さなお口でパクパクと幸せそうな表情を浮かべながら食べています。


「にゃお♪」

「あらあら、タマちゃん気持ち良い?」


 白猫のタマちゃんも炬燵の中がお気に召したみたいです。ゴロゴロと気持ち良さそうにしていますね。タマちゃんのお腹撫で撫でするとモフモフとしていて気持ち良い♪


「かえでねーたん......ボクも! ん!」

「うふふ♪ あれれ〜エルちゃんもしかして、やきもち妬いてるの?」

「ちがうもん!」

「あれれ〜? こんな所にフグさんが居るわね♪ つんつん〜♪」


 エルちゃんが頬っぺたを膨らませながら私に甘えて来ています。タマちゃんを撫で撫でしたり抱いてあげたりするとエルちゃんも負けじと甘えて来るので可愛いです♡


「あ、お姉ちゃん。めぐるから連絡来てたよ」

「え? めぐるちゃんから?」

「うん、来週の土曜日遊びに来たいってさ」

「良いんじゃないかしら? 久しぶりにめぐるちゃんにも会いたかったし♪」

「ん、じゃあ返信しとくよ。久しぶりに私も会いたかったし」


 メスガキ系人気VTuberの1人、宇佐美めぐるちゃん。本名は本庄ほんじょう明日奈あすなちゃんと言います。葵ちゃんの同級生で、小さくて愛らしい小柄な体型の女の子♪ 


「ん? どしたのエルちゃん?」

「ん!」

「あ、はいはい♪」


 今日はいつもよりエルちゃんが甘えん坊さんですね♡ 私の手を掴んで自分の頭の上に乗せて撫で撫でして欲しいとアピールしています。私にスリスリと甘える姿を見ると私の中の何かが、大爆発しそうな気がします。


「葵ちゃん......」

「あぁ......おけ。あれやっちゃう?」


 ぐふふ♡ 葵ちゃんも察してくれていますね。2人がかりでこちょこちょをしてエルちゃんを笑わせるのも最近ハマってるウチの1つです♡ こちょこちょをする時の葵ちゃんは凄く楽しそうに笑うのですよ♪


「お姉ちゃん、エルちゃんが逃げない様にしっかりと離さないでね」

「ふふ......エルちゃん〜こちょこちょのお時間でちゅよ♪」

「ふぇ? や、それは......あははははははははは!!」

「今日は何時もより手が滑っちゃうなぁ〜」


 楓と葵は幸せそうな笑みを浮かべながら、エルちゃんにこちょこちょをするのであった。





 ―――30分後―――




「ふんだ! かえでねーたんとあおいねーたん、きやい!」

「よしよし♡ ごめんごめん♪」


 また調子に乗ってやり過ぎてしまいました。エルちゃんは笑いすぎてぐったりとしていますね。エルちゃんがプンプン怒ってる姿もまた愛らしくて涎が出そうです♡ じゅるり......


「エルちゃん、お姉ちゃん達と魔法少女みくるちゃんごっこしよっか♪」

「え、私もやるの?」

「もちろん♪ ちゃんと通販で3人分のコスプレ衣装も買ってあるんだから♪」

「え、また無駄遣いしたの?」


 エルちゃんにはお子様サイズのみくるちゃんの衣装を用意してあります。お値段は3人分合わせて26万8千円くらいしたけど、エルちゃんの愛らしい姿を拝めるものなら、金額等差程気にはなりません♡


「ねえ、お姉ちゃん。これいくらしたの?」

「え、ん〜とね。その......」

「んん? 


 ううっ......葵ちゃんの圧が強いわね。これは正直に言うと怒られるやつかな。葵ちゃんの目が笑って無いのがまたゾクゾク......少し怖いですね。


「お姉ちゃん、あれ程無駄遣い駄目だよと言ったのに......ちょっとそこに座って正座」

「あ、葵ちゃん落ち着いて聞いて」

「私はいつだって落ち着いてるよ♪ ほら、購入履歴見せなさい!」

「ううっ......はい」


 この後、楓は葵ちゃんにガチなお説教をされるであった。そして、今日の晩御飯のカニ鍋の際には、楓の蟹は無く代わりにカニカマを出されて、楓は文句を言わずに目から涙を流しながらカニカマを食べるのでした。

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