詩集14　言葉神降臨

仲仁へび（旧：離久）

　一つの塔があった

　そこは生贄を捧げる場所

　栄えある神のために　名誉ある大賢者のために

　約束された未来のために　希望ある大帝国のために

　流れる血は正当化され　犠牲は尊ばれる

「どうして私達が死ななければならないの」

「なぜ僕達が死ななければならないんだ」

　理由はない　選ばれた原因もない

　ただ作業のように　指示され

　その命を　尊い明日のために

　塔の中に投げ捨てるだけ

　心臓を銀に変えて　血液を金に変えて

　骨を宝石に変えて　髪の毛を鉄に変えて

　死んでも死なせない

　死なせても死なない

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