A.L.Extra!! 【ニヒスカスピンオフ】
慎み深いもんじゃ
季節・特別編【イグニス・ファトゥス】
その1(2021/10/24)
【これは、ハロウィーンという季節感に則って生まれた、雰囲気を一変させてあるお茶らけストーリーです。メインストーリーとの関連性は極めて薄いため、他の物と同じと思って読むとガッカリすることになると思います】
……………‼
「いたずらか、お菓子か」
「…え」
「いたずらオアお菓子」
「…おう」
「トリックオアお菓子」
「そこで刻むのか」
「トリートでお菓子になるのお菓子いと思いません??」
「た、たしかにお菓子いよな~」
君の出だしの方がお菓子いよ。
ちなみに、トリートはもてなすという意味なので、「あなたは私をもてなすか、それともいたずらか」となるわけだが、「いたずらか」って聞くの、物凄く暴力をチラつかせてるみたいで嫌だな~って思ったよ、俺は。…どうでもいいなこれ。
「たしかにお菓子いよな~」
とにかく、俺はそう返した。
「私は共感を求めてる訳じゃないッ!」
「ぐえぇ!」
いきなり蹴りを入れることは無くないか。
「ちょ、ちょっと待った繋ちゃん。落ち着け! いきなり玄関先でそういう事をされると、だいたいの場合俺のような人間は困っちゃうんだぞ?」
「そうだったんですねー初めて知りました」
「今日はやけに導入が雑じゃないか繋ちゃん。季節特別編初回だぞ」
「いや、正直『ハッピーハロウィン』と同時に拳銃使って脳汁ブチまけるのもありだと思いましたが」
「そうか、君が正しい選択をしてくれて俺は心底安心しているよ」
この小説、セルフレイティングしてないからそういうことは勘弁してくれ。
…今回はどうもメタネタが多いが、やはり特別編ということで全てが許されると思っている
…ここまで行って言及してしまうと、俺と、…いや、やめておこう。
「さあ、繋ちゃん。今の状況を説明してくれるかな」
「雑な導入はあなたのほうでしょう。さすがにキャラ崩壊とか始めてませんか?」
「うるさいうるさい、キャラ崩壊とか言い始めたらいよいよおしまいだぞ」
本当におしまいになる前に語ろう。
俺達が住まう小さな街、神岡。
この街にはなんと、秋が来ていた。秋以外の季節に秋の事を思うとなかなか秋という季節の実存性に納得できないが、実際に秋を迎えるとなるほどこれが秋かと膝を打つものだ。…そうして10月半ばを超えるといよいよ暑さよりも寒さという苦しみを、毎年毎年初めての様に知ってしまうわけだが、玄関先に出ることさえ
「ええ、ハロウィーンと言われれば私を呼んだようなものですよ」
「ハロウィーンとですら一言も言ってないけどな俺は」
「そもそもハロウィーンの起源とか、あなた知ってます? 私の事を知っておくつもりで知っておいてくださいよ」
「別に君の事を知っておくつもりになってもモチベーションは生まれないけど…」
「うるさい寿命縮めるぞ!」
「怖い!」
じゃあなんだろう。ハロウィーンの起源か。たしか、アメリカ合衆国での文化なんだよな。…それじゃあ、宗教関連だろうか。
「キリスト教徒の文化とかなんじゃな」
「はい、今あなたの寿命一か月縮みました!」
「うわ!! やけにリアルで怖い!」
「何がキリスト教ですか、いてこましますよ」
関西弁?
「確かにキリスト教に取り込まれている節はありますが、正確には違いますね」
「ほう、それじゃあそれはキリスト教なんじゃ」
「はい、今ので三か月縮みました!!」
「変な所で割り込まれると俺が老人みたいになるからやめて!
というかやけにキリスト教という言葉を毛嫌いしているみたいじゃないか、そんなんで死神辞めさせられたりしないのか? 堕天みたいな」
「いいえ、私はキリスト教の死神じゃないです。
というかキリスト教に死神はいないです」
「え? そうなの? 西洋の死神とかそういうんじゃないのか」
「死神の役割をこなす天使はいますが、死を司る神という意味で死神はいません」
「へえ…」
「少し話題がずれましたね。付いて来て下さい」
「えっ? なんだよ急に、外に出なきゃいけないなんて聞いてないぞ」
「用事はすぐに済みますよ。ハロウィーン伝承についての話は移動しながらで」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 心の準備が…」
「ヒーローは常に臨戦態勢であって下さいよ。服はちゃんと着てるからいいじゃないですか」
「それは君がいきなり訪問してきたから急いで着替えたんだ、
君が帰ったら瞬間で寝間着になるぞ」
「私はもう色々とツッコみませんけど…とにかく行きましょう」
「おいおい…!」
聞いてないぞ。この特別編、わりとシリアスになることあるの!?
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