番外編②-17 – 八方美人 (トランスフォーマー)
「俺はこの〝
藤村は
「それと、どの形態であっても俺のサイクスを込めた弾丸を放つことができる」
そう言って藤村は〝
「あ〜ぁ。壊れちまった。いまいち力加減が分からねー」
藤村は〝
「余裕のつもりか? 自分の超能力についてペラペラと……!」
藤村は
「例えばこいつは任意の6箇所に次元の穴を開けてそこを通れるようにする。そして俺は触れた部分から自由に繋げた次元の穴へと移動できる」
「気でも狂った? 暗闇の中は俺のテリトリーだよ」
––––〝
客席の影部分が波打ち始め、それが徐々に侵攻して藤村へと襲いかかる。
「おっと」
藤村は影の大波に押し出されて空中に投げ出される。
––––〝
地面の影が盛り上がり、そこから無数の鋭い針型の影が藤村に向かって一直線に襲いかかる。
––––〝
藤村は空中で左手を広げ、そこから次元の穴が開かれる。〝
「なっ……!」
姿を消した藤村に対して
「別に触れたものに〝大気〟が含まれてないとは言ってないぜ」
藤村は再びステージ中央へと移動し、余裕の表情で
「お前の超能力は大体理解した」
藤村はそう言うと床を見つめながら話を続ける。
「お前の影には範囲がある。大体1辺60センチ程度の正方形か? そこから影が襲いかかってくる……。今の波のような攻撃も針のような攻撃もその正方形からそれぞれ影が伸びて融合するイメージ。有効範囲外に出た影からその集合体から離脱していき、新たな影が加わる感じだな」
「それにこれも条件か?」
藤村はステージ上の照明を眺めながら
「部屋全体を暗闇にすりゃあ良いのにそうしないってことは……条件だな。部屋の一部に明かりを施しておかなければならない。範囲は分からんがな」
藤村の推測通り、
D–3ビル地下4階のホールは高さ約18メートル、そのために必要な照明の範囲は丁度、中央のステージの範囲ほどであった。
「照明を壊せば良いんだろうが、まぁ何か対策はあるんだろう?」
「俺も〝
藤村の持つリボルバー型装飾銃が黄色いサイクスで包まれる。〝
「この形状は特殊でね、2丁使うんだ。この右手に持ってる方は〝
藤村はそれぞれの銃を撃ち、その銃弾がその場に停滞し、サイクスが球型に広がる。
「こうしてトラップ型として設置することも可能だ。その球は割れたり割れずに弾かれたり。こっちの仕組みは上手いこと自分で解明してみてくれ。青と赤で色の違いがあるから分かり易いと思うぜ。ちなみに〝
そう言うと
––––パリンッ
会場の照明は全て消され、暗闇に呑まれる。
(チッ)
部屋の照明がなくなった場合、
「!?」
(もう既にトラップを仕掛けている!?)
赤い球が
(何だこれ、面倒くさいな!?)
––––ヒュォッ
その瞬間、藤村の右拳が
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