第24話 夕

茜がさしたあの教室の向こうは今の私で

あなたが居ない街に居る


たぶんそれは皆んなそうで

夕暮れになると子供が家に帰るような

決まり事みたいな物だと思う


想いに馳せて飛んでいってしまいそうな

尻尾を追いかけ捕まえて

二度とここから離れないように誓うため


私は書き認める


もう一度会えたらなんて

二度と考えないなんて


暮らしの日々は穏やかで許された自由はそれなりで幸せの範囲はそこそこあって


不満なんてないような顔であとは生きるだけなのに


私はわがままかな


あの時もしもああだったらそうすれば


浮かんで来る葛藤に蓋をして

夕方になると家に帰る


これじゃ今だって子供の頃と変わらないや


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