第14話 老い
似合わなくなった水玉柄のワンピース
袋に詰めて捨ててしまったピンクのリップ
老いると捨てるものが増えて
新しいものが減る
たとえば、
レースのハンカチを持っていた友人
たとえば、
ロリータ服のあの子
たとえば、
ミニスカートの似合うあいつ
どんどん減って新しい友人が少なくなる
老いれば老いるほどに
寂しい事が楽しい事と同義になっていく
愚痴ばかりの友人
背伸びして不貞行為するあの子
本当は真面目で臆病な癖に
居なくなってしまった人々に宛てる
私は老いたぞ
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