第六十一話
「オ、オノレ……。ウン? モウヒトリイルナ……。ソッチナラ、ドウダ?!」
そして清三は、ことみに向けて『光』を
ことみは、
すると、ことみの左から
「危ない、ことみ! 攻撃を防げ!」
しかし、ことみは怯えていて動けなかった。意を決した表情の誠兵衛は素早く、ことみを突き飛ばした。すると九本の光の矢が誠兵衛の左腕、左の腹部、そして左脚に突き刺さった。
誠兵衛は、激痛で思わず声を上げた。
「ぐっ!」
そして、ことみに告げた。
「だ、駄目だ。これじゃあ戦えねえ。ことみ、
「う、うん!」
ことみは頭上で『
「黒き
神通力陰陽術
すると黒い霧が、清三の顔を
「グッ?! ナンダ、コレハ?! ナニモミエン!」
ことみはもう一度、詠唱した。
「敵を深い眠りに
神通力陰陽術
すると清三の動きが、
「ナ、ナンダト?! コンドハ、ネムクナッタ?! クッ、イッタイ、ドンナジュツヲツカッタンダ?!」
ことみは誠兵衛に右肩を
「これで少しは、時間をかせげるはず……」
しかし、このままでは逃げきれない。ことみの『陰』と『陽』の神通力陰陽術の効果は、通り雨が止むくらいのわずかな時間だったからだ。
ことみが
ことみは妖刀の神通力の本当の恐ろしさを知り、まともに戦うことも出来なかった
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