うららかな日

わたしがこんなに幸せなのに

お前がそれに水を差す


お前の子宮は雛鳥の味

抉って喉を潤せる

ぬかるむ血にブランデーを一滴

晩酌に丁度いい甘さだ


お前はお前が殺した男と交わる

空気のわたしをいいことに

お前は

乱暴に足を広げて

経血色の唇から糸引くそれを見せつけて

お前は

蛇口の横に化粧水を

安い白粉の香りを振りまいて


お前の子宮は腐った子羊の匂い

どろどろのからだを男に絡ませる

その血を吸ったとて命を縮ますだけ


お前に殺された男はなぜお前を抱くのか

お前を愛するわたしが胸をはだけているのに

こんなに愛されたがっているのに


お前を生きながら殺す方法はないものか

それはできればうららかな日に

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る