第30話 疑惑のティアナ
「アビリティ発動ー創造建造!」
アビリティー創造建造、消費魔力1000で効果は様ざな建造物を作る事ができるというものである。
「おお、お見事ですオルクス様」
「ありがとうマリギュラ」
俺はこのアビリティを使い、このだだっ広い草原に大きな屋敷を作った。
「あれ?でもオルクス様、なんでこんな便利なアビリティがあるのにエイドリアンのためには使わなかったの?」
巨人のミリオンがこのアビリティを見て俺にそう訊いてきた。
あー、そういえばたしかにこれを使えば済んだ話だったかもなぁ。
まぁでもエイドリアンだし、魔力使うくらいならお金の方がまだマシなんだよなぁ。
「ミリオンそれはな、エイドリアンだからだよ」
「あっははは、なにそれ意味わかんないよオルクス様」
あいつさもいい奴みたいな感じになりそうだけど、ティアナとアンにはどうやら酷いことしたみたいだし、本来ならお金だって払いたくないけど、さすがにあれは俺も悪いと思うから払うだけで、本当だったらあんな奴どうだっていいんだよね。
あ、そういえばティアナのことすっかり忘れてた。
「ね、ねぇあんた今もしかして私のこと忘れていた事に思い出したりとかしなかった?」
「え、そそ、そんなことないよ」
さすがティアナだ、勘が鋭い。
まさにその通りだよ。
「ならいいけど、私はどうすればいいの?アンもここに残すって事だけど私もここに残るの?」
「いやティアナは残らないよ」
「え?」
「お前ら、ちょっと外すからここで待っててくれ」
『了解』
俺は魔獣達にそう言うと、異空間の扉を開いてティアナを連れて外へ出た。
「な、なんで私だけ外に出すの?」
「ティアナ……正直に答えてくれ俺達に何を隠してるんだ?」
「……」
そうしてティアナの目から先程までの明るさは消え、雰囲気も暗くて冷たく変わっていった。
「……ティアナ?」
「はぁ、あんたとは今日初めてあったのに本当色々してやられたわ」
そう言うティアナからは、一瞬感じた冷たさは消えていた。
「それってどいう……」
「いいわよそんなことは、隠し事でしょいいわよ教えてあげる」
やっぱりあるのか……。
ギフトスキル解析で、ティアナの感情もある程度理解できるからなんとなくなにかあるんだとは思ってたけど……なるべく軽い隠し事だといいんだけど。
ていうかスキル解析本当に便利だな。
「私は元々エンダート直下の部隊、輝石の英雄にいた」
「え?」
「そこで私はタマキ様の力を封じるため渇望石を持ってくるように命じられているの」
う、嘘、なんだよそれ。
全然軽く無いじゃん、むしろわりと重要な事なのではないかそれ。
ていうかなんなんだタマキの力って?
「一つ質問なんだけどエイドリアンも言ってたタマキの力って一体なんなんだ?」
「……いいわ教えてあげるタマキ様、いや王家の女性には魔族祓いの力があるのよ」
魔族祓い?
なんだそれ聞いた事ないぞ。
そしてそれを教えてくれたティアナは心なしか何かに怯えているようにも見えた。
「その力をなんでエンダートは封じたいんだ?」
「それは……彼が、エンダート自身が魔人族だからよ」
え?エンダートって王族じゃないのか、なんで王族が魔人族なんだ?
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