第11話 ティアナの実力と偽造石
「お、いたいた」
広域知覚センサーで赤毛のティアナの位置を把握できた。
場所さえわかればあとは瞬間移動で行ける。
今更だが広域知覚センサーとアビリティ瞬間移動の相性凄くいいな。
「よし見つけたから、とりあえず行ってここに連れてくるね」
「は?何言ってるだいあんた?」
そうかそうだったおばさんは俺が強くなったの知らないもんな。
瞬間移動を見たりしたら後で色々聞かされそうだけど、とりあえず今は赤毛の捕獲だな。
「アビリティ発動ー瞬間移動」
「え?オルケン」
「ふふ、あの馬鹿金持ち私がちょっと押しただけで倒れるとか弱過ぎ」
「やぁ」
「へ?」
俺は路地裏に隠れているティアナの目の前にあえて瞬間移動した。
狙いとしては驚いて硬直してる隙にささっと捕らえてしまおうと思ったからだ。
しっかし遠目だとよくわからなかったけど、よく見ると意外と可愛い顔してるな。
「な、あ、あんた誰?」
「俺はオルクス、ちょっと訳あって君を捕らえに来たよ」
「来たって一体どこから……」
「ごめん話す時間とかないんだ、とりあえず俺の右手を見ててねアビリティ発動ー催眠念波」
「うっ」
アビリティ催眠念波は、消費魔力500の催眠系アビリティである。
効果は手から2メートル程に催眠系の念波を放出するもので喰らうとレベル100以下の者は気絶する。
さてこれで捕獲完了っと。
「ま、まだよ」
「え?」
「喰らいなさい!アビリティ発動ー瞬間凝結」
「なに⁉︎」
彼女はアビリティで俺の足を凍らせてしまった。
参った足を凍らされてしまった事で動けなくなってしまったな。
ていうか催眠念波を耐えるなんて、この子結構レベル高いぞ。
どれ解析で見てみよう……ん?なんだレベル1としか表示されない。
もしかして……。
「ぎ、偽造石か……」
「何あんたレベル感知系のアビリティも使えるんだ、そうよ私は偽造石を持ってるでも本当のレベルは」
彼女はそう言ってポッケから偽造石を出し、地面に置いた。
その瞬間、解析によるレベル計測がまた始まった。
なにレベル120だと。
人間でこんなに強い人初めて見たぞ。
この子ひょっとして物凄く強いんじゃ……。
「どうやら私の本当のレベルがわかったようね、でもね、もうさようなら足の氷はおそらくあと2時間くらいは溶けないから、じゃあねー」
そう言ってティアナはゆっくりと去って行った。
参ったなこれは舐めてかかるともっと痛い目に遭うかもな。
仕方ない、少し本気を出すか。
「アビリティ発動ー磁力操作」
「え、なになになになんか宙に浮くんだけど」
俺は磁力操作を使い、ティアナの靴を持ち上げて宙に浮かせた。
彼女の履いてる靴には金具がついてる、つまり金属である。
金属って事はこのアビリティを使えば造作もなく捕まえられる。
「さて、動けなくなったのはお互い様だな」
「くっ、あんた結構やるようねいいわ見せてあげる、ギフトスキル発動ー力操作」
「は?」
宙に浮いたティアナはそう言ってこちらを凝視してきた。
「この力はね一定時間この世のありとあらゆる力をコントロールできる力なの、わかりやすく言えば引力や斥力かな」
「は?それってどういうこと」
「つまり私は狙いをオルクスさんに定めて斥力を使いこの街の外まで吹き飛ばせるってこと」
「う、嘘だろ、やめろ」
「さて狙いは定めたよ」
彼女がそう言って俺の方を睨みつけると身体が言う事を聞かなくなった。
マジかよ!この子ギフトスキルまで持ってるのか。
まぁレベル100を超えればもっているのも普通かていうかそれよりもこの力操作ってスキルがやばい、やばすぎる。
「う、動けない」
「じゃあねオルクスさん!バイバーイ」
『ズドン』
そうして爆風と共に俺はめちゃくちゃ空に吹き飛ばされた。
ま、まずいこれでは本当にデリアリの外まで吹き飛んでしまう。
あ、アビリティ発動ー瞬間移動……ってあれ、発動しないぞ。
もしかしてこれ地に足がついてないと使えなかったりするのか。
し、仕方ない奥の手のこれを使うかでも使ったらどうなるんだろ、いや考えてる暇はない。
「アビリティ発動ー異空間の扉」
俺は自分の飛んでいくであろう方向に扉を出現させた。
「開け!」
「ギィィィ」
そしてそのまま俺は異空間の扉へと入っていった。
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