第6話 レベル999
瞬間移動でさっきいたところに戻るとあの魔人はすでに空間固定を解いていた。
「貴様本当に何者なんだ、漂う雰囲気から強者であるのは間違いないとして何故に私の邪魔をするんだ?」
目算で5分はいけるとおもったんだがこいつを拘束して約3分でもう動けるってことは、こいつ中々に強いな。
まぁでも240じゃあ、おそらくレベル差的に俺の敵ではないな。
「あいつらはとはちょっとした知り合いでな死なれちゃ困るんだ」
「なるほど、つまり貴様は奴らを助けるために私の妨害をしたということだな」
「そうなるな」
「ならば貴様を殺せば奴らを殺せると言うことだな」
「お、おう」
なにそれ怖すぎ。
魔人種の方々の思考回路に交渉とか取引とか穏便に済ますっていう考えないのかよ。
そんなんだから人類の敵になるんだぞ。
「ではいくぞ強き者よ、アビリティ発動ーヘルフレア」
「うぉ、あっぶね」
魔人はヘルフレアなるものをこちらに向けて撃ってきたが、俺は筋力ステータスや俊敏ステータスもめっちゃ高いので難なく躱せた。
当たったらどうなっていたらとか怖いし一応解析してみよう。
えっと攻撃系アビリティーヘルフレア、消費魔力300の威力400で当たると火は対象を燃やし尽くすまで消えないのか。
なるほど当たると少し厄介かもな……よしそれならアレを試すか。
「ヘルフレアを難なく躱すとは、やはり貴様は只者ではないな」
「そっちこそなかなか怖い技使うな、正直この技はまだ当分使わないと思ってたけどお前強いから使わせてもらうぞ」
「遠慮はいらん、これは命をかけた殺し合いなのだから」
「アビリティ発動ー魔獣生成」
アビリティ魔獣生成、消費魔力3000で効果はレベル200から300クラスの魔獣を作る事ができるもの。
使用条件は作りたい魔獣の具体的なイメージをしてから発動するというもので、俺がイメージしたのは……。
「魔獣生成だと、魔人の中でも最上位の第一界魔人にしか使えないとされるアビリティだぞ、それにこいつは」
「出でよベヒモス!」
魔獣ベヒモスはレベル280、個体値は筋力28000防御力5000アビリティ耐性30000の上位魔獣だ。
一応、レベル的にはこの魔人よりも高く設定したけど本当の強さはわからないな。
さてあっちはどうでるかな、理想としてはこのままどこかへ行ってくれるといいんだけど。
「面白い、面白いぞ貴様!いいだろうまずはその魔獣を倒すとしよう、その次は貴様だ!」
なんでだよ、なんでそれでやる気が出るんだよ。
こっちは正直なところお前を倒すのではなくて撃退したのに……。
魔人は討伐すると勲章が出る、しかしこの勲章が俺にとって厄介なのだ。
勲章を持つものは原則上位のクエストを率先して受けなければならない、その他にも王族の護衛や勇者パーティへの加入義務など単純に仕事が増えるのだ。
そんなの嫌だ!俺は働きたくないんだ。
だからこいつにはいい感じに戦意を喪失してご退場して頂きたい。
「うーん、本当はこの技使いたくなかったんだけどお前を倒さずに撃退するにはもうこの技しかないのかもな……」
「何を甘い事を言っておるのだ貴様、私は魔人だぞ倒されることはあっても逃げるなどするわけない」
「そうか、まぁおそらくこの技喰らえばいくらのお前でも戦わずに逃げると思うぞ」
「ふっ、凄い自信だなならばやってみろ」
「わかった、アビリティ発動ー能力公開」
アビリティ能力公開ー消費魔力15、効果は己の能力を指定した他者に公開すること。
「な、なんだとレベル999だとステータスはほぼ全てが上限に達している、き、貴様神か何かか?」
「さぁな、別にお前が逃げないのは勝手だけどこれだけレベル差が離れてるんだ、俺はお前を殺さずに生かしたまま永遠に苦しみを与え続ける事もできるんだぞ」
「うっ、確かに貴様ならそれができるだろう……わかった今回のところは撤退しよう」
良かったぁ。
まぁ流石にこんだけのレベル差見せつけられたら逃げたくはなるよな。
「よし!じゃあな魔人」
「いや待て、撤退はするが貴様の名を教えろ」
名前くらい教えてやってもいいが、なんか直感的にこいつとはあまり関わりたくないんだよなぁ。
そうだ偽名を使おう。
「いいだろう、俺はジョンだベルクール王国の国営ギルド天神会所属の冒険者だ」
「ジョンか、確かにその名前覚えたぞまたどこかで会ったとき私は今よりももっと強くなっている、楽しみにしていろ」
「わかった」
そう言って魔人はどこかへ飛んでいった。
全くなんだったんだあいつは、ていうかジョンごめんな、咄嗟に出た名前お前のくらいしかなかったわ……。
さてあいつらのところへ戻るか。
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