少年

少年は見つめていた

砂漠を進むいくつもの竜巻を

サバンナを走る動物の群れを

森を潤す激しい雨を

波間をはねる光のきらめきを


少年には見えていた

砂に埋まったいくつもの村が

乾いた大地で死に絶える動物が

切り倒されゆく森の木々が

赤く濁った海が


少年の目は

静かで

真っ直ぐで

でも光がなかった

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