第39話

𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣


僕は今、海翔と一緒に大型デパートの前にいる。

理由は簡単。

美妃奈へのクリスマスプレゼントとデート用の服を買うためだ。

「ありがとね、海翔着いてきてくれて。」

「いいよ、別に。どうせお前だけだったら面白いかっこするんだろ?笑」

「うう……」

どうやら僕はファッションセンスがないらしいのだ。

同級生と遊んだ時は憐れむような目を向けられたし、美妃奈が初めて家に来た時には部屋着姿を見て「あ……うん、かっこいいと思うよ」と苦笑半分、面白さ半分で笑われたくらいだ。

自覚はないんだけどなぁ。

「任せとけって!バッチリコーディネートしてやるよ。あと、俺も空とのデートコーデ選ばなきゃだったし。」

「そっか、けどありがと。とりあえず2階行く?」

「そうだな、まず2階行こ。」


そうして上に上がった僕達は……

「ほい、春翔次これ」

「えええ、今何着目?」

「いいからいいから、それ終わったらこのズボン合わせんぞー」

そうして目まぐるしくも海翔にしてもらったトータルコーデをそのまま買って、海翔の服も決定。もちろんクリスマスプレゼントも決めた。

「今日はほんとにありがとう。おかげでいい服買えたよ。海翔の服も似合ってたしね。きっと久留野さん褒めてくれるって!」

「そうかな……そうだったらいいな」

海翔とはバス停の前で別れて帰宅。

「ただいま」

下を見ると可愛らしい真っ白なブーツが置いてある。

「みぃ?帰ったの?」

その数秒後……僕はなんにも分かってなかったことに気付かされた。

「みぃー?」

そう言いながら部屋の前まで進むと。

「っ……はるくんと一緒にいつまでもいたかった……」

押し殺したような美妃奈の声が聞こえて。

思わず息を飲んでしまったけれど、多分聞こえてないと思う。

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