第3話

「みなさーん。今日は転校生が来ましたよー。桜 美妃奈 みいなさんです。」




ドクンッ


心臓がその名前を聞いた瞬間、激しく跳ねる。

嘘だろ?まさか、、、

淡い期待を胸に抱く。

その期待を慌ててかき消すかのように、違う可能性を探る。

まさか、同姓同名?

そんなのほんとに存在するんだなぁ。

あれ、よく見たら顔も似てないか?

僕にだけ、より一層特別に見える整った顔立ちと性格の明るさを全面に押し出すかのような茶髪のツインテールが左右に揺れている。

僕の脳が都合のいい解釈をしているのか、いくら疑ってみても美妃奈にしか感じられない。

僕を見つけた時の、そのひまわりのような笑顔。この子は……美妃奈だ。

若干信じられない気持ちながら、美妃奈の挨拶に耳を傾ける。



「えへへー、今日から白羽しろはね高校に転校してきた桜 美妃奈ですっ!よろしくおねがいひまふっ!」

クスクスっ、、

ガッツリ噛んだな。うん。

「あ、あわっ、!ごめんな、あ、すみません!こんなドジなところもありますが、よろしくお願いします!」

教室がどっと沸いた。

この空気より僕の心臓はもっとドコドコと激しく打ってる。隣にいる人には気づかれそ、、、あ、僕となりいないんだった。

これってもしかして……



「桜さんはそこの南くんの隣の席に座ってねー」

「はいっ!わかりましたー」

「(やった!)」

思わず机の下で軽くガッツポーズ

こんな展開があっていいのだろうか?

自分に都合がいい展開すぎて逆に恐怖を覚える。

内心が再開できたことに舞い上がりすぎて、おかしな夢でも見ているのだろうか。

けど、冷静に考えれば現実である。

あ、けど、これ赤くなってるのバレる、、かも。

久しぶりに見た美妃奈は、5歳の時とは比べられないほど大人びていたけど、あの時の笑顔は何一つ変わっていなかった。


「えへへー、まさかはるるんと隣になれるなんて!うれしーなー」

「え、美妃奈、驚いてないの?」

「んー?だって知ってたもん!はるるんがこの高校に通ってるの。会いたかったから。来たんだよ?」


っ、!!会って早々のストライクショット……

「ちょっとー、そこー、イチャイチャするのは休み時間にしなさーい」

また、教室がどっと沸く。

2人して顔を赤くして俯いたら目が合ってしまって余計に照れくさかった。

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