③メスガッキー大編隊 と 末妹レム子の天鬼族再旺紀。【プロット】万能超計算存在スタニスワフ・レムを継ぎし軍師レム子の導きの下、雌餓鬼姉妹は多界の地を旅し奮戦し繁殖す。

十夜永ソフィア零

プロット

本作めすレムのプレミス】

御尻様を奉ずる雌餓鬼姉妹は魔災の地を離れ大編隊を組み、さかりが憑いた末妹レム子の導きで難敵を退ける。姉たちは数多の地にて彼氏ダーリンと共に天鬼族を再興。レム子は元・御尻様のルカと共に魔災を打ち破り宇宙を救い、ルカと結ばれる。


✧ 姉鬼達の愛乃繁殖紀ラブリード・エラ + 末妹レム子の処女道之戦ヴァージンロード・バトル

≒うる星やつらリスペクト+ Re:ゼロ リスペクト


【登場者】


■接合生殖の雌餓鬼姉妹(天鬼族の末裔)

 天鬼の矮化体。身の丈は五尺以下(身長140cm未満)。濃褐色肌全裸。

 御尻様の助けの下、数百年続く獄卒の魔災から生き残ってきた。生き残るための陰陽により、天鬼属は雄の個体を失った。以降、族の長、金鬼の卵子と銀鬼の卵子とを陰陽で接合させる接合生殖で一族を維持している。結果、1500名余の彼女達は互いに姉妹というべき関係にある。

 魔災に耐えるため進化した肌の代謝は極めて良い。魔災の地を離れると少しずつ皆つやつや褐色肌となっていく。


(二巻)

 乙女𝙂ゲーの地にて、獄卒の魔の地にて溜め込んだ体内の魔のため、雌餓鬼姉妹には交配相手を死に至らせる危険があることが判明。また異性が存在しなかった雌餓鬼族には男子の気持ちを汲むことは難しいことも。ただし、奇跡的に交配に成功した雌餓鬼が一体生じたことは、一族再興への希望。


(三巻)

 末妹レム子の能力操陰陽アンシブルによる異能開発を通じ、姉妹の身体は多様化(ロリ娘、トランジスタグラマー娘、グラマラス娘 等)。

 異能開発後、惚れ込んだ彼氏ダーリンには姉妹愛の延長で皆で良く尽くす。彼氏ダーリンとの姉妹ハーレム繁殖を通じ、長期的には、天鬼族は再旺していく。


■黑鉄球の御尻様 ※朝長・ルカ・三郎の転生中のお尻

 阿鼻の魔災に襲われた地に、唯一つ肌白く輝くお尻。

 命を救った雌餓鬼姉妹から御尻様と呼ばれ信仰の対象となる。

 肌理きめ細かく、撫で心地、さすり心地が、とても良い。


 御尻様は、旧ソ連系のハーフ、朝長・ルカ・三郎の半転生体。

 御尻様から生える陰毛は、極限の剛毛であり黑鉄球を形成。

 黑鉄球は豪壮無比、高温の獄炎にも獄卒の魔の魔法攻撃にも耐える。


 御尻様と黑鉄球につき、現時点で判明していることは以下の2点。

 ① 黑鉄球は裡に雌餓鬼姉妹達を匿い、獄卒の魔から守っていること。

 (黑鉄球を、雌餓鬼姉妹は浮遊の館の住まいとする)

 ② 御尻様には長さ1ミリメートル未満のお○んちんが存在すること。

 (従って、御尻様は限りなくTS体に近いが、生物学的には♂)


■旺鉄ナノの倥空こうくう母艦

 ベルンハルト王国の英雄ナノは死後に旺鉄生命体ナノと化し、数多の世界の滅びの無理ゲー化に抗っている。

 旺鉄ナノが持つ依代の一つが、クォーク量子体の綺粒花キリカをベースとした倥空こうくう母艦。鉄隕石の内部を反物質レールガンで溶かした後に、綺粒花キリカでコーティングして製造された。外見は潜水艦のような流線型。対魔災力が高く、硬度も高く、地殻中・マントル中(倥中)を移動できる。

 いわゆる空母でもあり、雌餓鬼姉妹が乗り込める艦載機ファルケを裡に数多収納。雌餓鬼一族は、この母艦に乗り込み地殻を進み、乙女𝙂ゲー、奇界𝙂ゲーを始めとする数多の世界へと至る。

付記 旺鉄のナノには人語を話し舞い踊れる鉄人形の依代もあり。


■末妹軍師レム子

 さかりの憑いた雌餓鬼。元は雌餓鬼の末妹。

 御尻様と共に訪れた奇界<にて、クォーク星生命体(※1)の機能性ストレンジ物質を継承したことで身体が白く輝き賢しく覚醒する。


※1 通り名・存在スタニスワフ・レム、又は、存在レム


 奇界<では、夜魔王となりし御尻様こと朝長ルカ三郎の補佐をする。そして白鬼レムとなりルカに恋をする。

 存在レムの頼みを受け、白鬼レムは、異なる奇界𝙂ゲー能力操陰陽アンシブルを飛ばす。白鬼レムは、奇界𝙂ゲーの中世日本風世界の越後たんの巫女姫、上杉謙神(♀)へと分身。

 さかりの能力操陰陽アンシブルを駆使し、メスガッキー大編隊全体の能力を向上させることができる。知恵者軍師のレム子となり、数多の難敵と戦う大編隊の指揮を取る。


(二巻)

 レムの分身体謙神(♀)は、ダーク・エルフのルカ君に仕え、奇界𝙂ゲーに転移してきた宮古島市民7万人を守護する。宮古島には後に旺鉄ナノとなる、凪沙野穂香なぎさのほのかがいた。


(三巻)

 白鬼レムは末妹軍師レム子へと進化。進化後の身長は五尺強(154cm)。

 夜魔王に至ったルカが離れ離れになった恋人のコウに永遠の愛を誓っていることを知るも、レム子はルカへの一層敬愛を深める。 謙神(♀)との二重存在デュアルイグジスタタスと化したレム子は、倥空こうくう母艦に戻る。そして、能力操陰陽アンシブルを駆使する軍師として、メスガッキー大編隊を抜本的に強化する。

 また姉達に社会常識を教化する。口賢しい教師となったレム子に勉強を教わるのは、勉強をしたことがない姉達には半ば苦行。

 お勉強に疲れた姉達はレム子のお尻を撫でて疲れを癒やす。雌餓鬼の姉達はレム子のぷりりんとした肌触りのお尻に在りし日の御尻様を見ていた。


【前日譚】 黑鉄球の裡なる御尻様と飛騨の天鬼の末裔

 ※以下、世界観を知っていただくための記述。


 とある第三惑星の飛騨の里に棲まいし天鬼属。

 陰陽術と体術の双方に秀でており他属を寄せつけない。

 その勇名は人属にも広く知られていた。


 が、各国の船が行き交うようになった室町の世、大航海時代の時。

 大天鬼の時の長が、地下からの熱線の不意討ちに倒れた。

 続いて、阿鼻の獄卒の魔が飛騨の里の天鬼達を蹂躙した。


 獄卒の魔から地に遍く煉獄の炎が沸き立つ。

 天鬼達は一体、また、一体との前に煉獄の炎に呑まれていった。

 阿鼻の魔災の果て、地に残された者はすべて獄炎に消えた。他の人属・亜人属は死に絶えた。


 ただ、空に逃れた天鬼のうち何体かは、宙に浮かぶ黑鉄球に隠れ、獄炎から逃れることができた。


 黑鉄球の裡にて生き残った天鬼達。

 

 裡は黑く光っていた。

 ただ一つ、肌白く輝く双山ふたやまを除いては。

 

 ✧

 

 験氣けんきの陰陽にて外を探っていた、天鬼が気づいた。

 宙に在る黑鉄球が地に近づいている、と。

 やがて験氣けんき持ちは皆、地が迫ることに気づく。

 

 迫りくる獄炎。

 どうしたものか、と惑う天鬼達。

 そのうち、肌白く輝く双山を拝むものが現れた。

 確かに神頼みしかないか、と他の天鬼も輝く双山を拝む。

 

 獄炎が黑鉄球を飲み込んだ。

 まとわりつく獄炎の様を験氣けんきで見、我らも遂に焦げ果てるのかと覚悟した。

 

 ✧

 

 天鬼達が獄炎に呑まれることはなかった。

 黑鉄球は獄炎に耐え、裡に暑熱を伝えることはなかったのだ。

 

 ある天鬼がおずおずと輝く双山ふたやまへと手を伸ばす。

 感謝の念を込め、双山を撫で擦る。



 えも不思議。黑鉄球は再び浮かび上がった。

 

 黑鉄球は、人のお尻に見える双山を撫でることで操ることができるらしい。


 時が過ぎ。

 獄炎は勢いを弱めたが、怪しげな獄卒の魔が地を徘徊するようになった。

 

 天鬼達は輝く双山ふたやまを撫でさすることで、黑鉄球を自在に扱えるようになっていった。

 そして、焼け焦げた地にわずかに残る有機物を、変成の陰陽により「食しうるもの」に変え、痩せ細りながらも彼らは生き延びた。


 やがて、彼らは、黑鉄球を神の如く思うようになっていった。


 彼らが唱える変成の陰陽の効果は、黑鉄球の裡と外とで明らかに異なっていた。

 焼け焦げた炭と変色した硫黄を混ぜ、獄炎揺らめく地で変成の陰陽をかけても食しうるものとはならない。が、それらを黑鉄球の裡へと持ち返り、変成の陰陽をかけるとしばしば「食しうるもの」となる。


 まさに奇跡。

 

 奇跡と言えば、獄炎なお揺らめく地に素足で立てることもそうだ。

 着ている服は焦げ破れつつあるというのに。

 彼らの身体はだんだんと褐色を帯びていた。

 まるで黑鉄球の瘴気か何かを帯びたかのように。

 

 その褐色を、彼らは黑鉄球の神気の加護やもと捉えた。

 そして、黑鉄球の神気の源は、御尻の双山ふたやまなりとも思った。

 何しろ黑鉄球は実のところ御尻の反対側の御前から濛々もうもうと生えた陰毛なのだから。


 褐色の彼らの目に入るのは、赤黒き大地と昏き碧の海、それに黑鉄球。

 ただ御尻の双山のみが肌白く輝き続けていた。


 彼らは、御尻の双山を御尻様と呼び、拝み撫でさするようになった。


 こうして、彼らは御尻様の一神教徒となった。


 ✧

 

 さらに時が流れた。


 御尻様は、天鬼達の陰陽にさらなる恵みをもたらした。


 その一が、獄卒の炎からの火傷に苦しむ者を救った濃肌のうきの陰陽。

 黑鉄球の裡でのみ行使ができる濃肌のうきの陰陽は、魔災にただれた肌を幾度も幾度も癒やした。

 

 後に、濃肌のうきの陰陽は矮化の陰陽でもあることが判明。

 天鬼属の者たちの身体は小さくなり餓利餓利と痩せ、雄の男性器は縮小していった。やがて天鬼属の者たちは交配不能となった。

 

 年老いて数を減らした天鬼属の窮地を救ったのが、最後の二体の子、金鬼と銀鬼に宿った接合の陰陽。

 この陰陽により、黑鉄球の裡では金鬼の卵子と銀鬼の卵子は接合し子を為すことができるのだ。

 

 年老いた者たちが天に召される中、族長となった金鬼と銀鬼は互いに雌の子を生み続けた。

 かくして、阿鼻の魔災から数百年を経た時には、地には御尻様を奉じ黑鉄球の神気を宿した千数百名余の雌餓鬼の姉妹がなお生き延びていた。

 獄卒の魔がうごめく地にて、彼女達は、残る有機物「食しうるもの」を喰らい逞しく生き続けていた。



【1巻の物語構成】 全4章 ★カクヨムコンで1巻全文を順次公開


序 ✧ 惑星テラの苦労人少年(17歳)が、夢魔リリスたちの導きによリ、褐色肌の雌餓鬼姉妹百名余の婿とならざるを得ない一日を記載。少年は、その夜から、夢魔リリスたちと共に、雌餓鬼姉妹のハードモードなこれまでを知っていく……


【公開先】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649137854515


※本作5巻1章の、惑星テラ編(超銀河団戦前夜)からストーリーを始めます(狙い:ポストアポカリプス的な存在の雌餓鬼姉妹の旅の果てに「日常」もあることを読者に印象つけること)。



1章 ✧ 雌餓鬼姉妹、煉獄の地を潜り、新たな世界へ向かう


(1節)メスガッキー大編隊の誕生 ★本文に抜粋

 

 ある日、雌餓鬼姉妹が身を寄せる黑鉄球の浮遊の館の下、煉獄の地の炎が弱まりだした。

 炎が消えた箇所から黒赤土が盛り上がり、鈍色の鉄塊が現れた。そして黑鉄球のすぐ近くにまで、鉄塊は至る。 

 皆が見つめる中、鈍色の鉄塊の一部が小さく膨らんだ。

 

 やがて小さな少女の鉄人形へと至る。 

『ハジメマシテ メスガキノ皆サン』


 鉄人形は、ナノと名乗った。旺鉄の生命体なのだと言う。

 ナノは、彼女たちを煉獄の炎なき地(多界の平行世界)へと導きたいと続ける。

 代わりにナノには頼み事があった。

 〈阿鼻の魔災から、多界の地を守る戦いに手を貸してほしい〉と。


 多界には、天鬼族を再興するに必要な「男」も存るという。

 いずれ多界の男たちと繁殖するも良し、と。


 ナノは、黑鉄球の脇に停まっていた旺鉄の塊を静かに膨らませ、黑鉄球を超えた大きさとなった。

 旺鉄の塊は、黑鉄球を裡に取り込む。黑鉄球の中の雌餓鬼も塊に取り込まれた。


 大きくなった旺鉄の塊は、倥空こうくう母艦。惑星上で可能なレベルのほぼ全ての物質攻撃に耐え、地殻深くに潜ることができる母なる艦。

 母艦は、惑星のコアにたどり着き、多界の地へと至ることを目指す。

 

 そんなことができるのかと、疑問に思ってしまう雌餓鬼姉妹。

 だが、彼女達の眼前で倥空こうくう母艦は、地の裡に入っていく。母艦の旺鉄の一部が透けて地の裡が視えるのも、えも不思議。


 雌餓鬼達による艦載機ファルケの訓練が始まった。

 雌餓鬼が中央床セントラルにダイブすると、旺鉄は柔らかく曲がる。

 そして、雌餓鬼は、母艦外壁と同様の旺鉄にくるまれて艦外に飛び出すこととなる。艦外で雌餓鬼を包む旺鉄がそのまま、艦載機ファルケとなる。


 

 雌餓鬼姉妹は、日々、艦載機ファルケに乗り込み、訓練を繰り返した。阿鼻の魔災の地を出て、新天地へと至る日を夢見て。

 猛烈な訓練の果て、艦載機ファルケの練度は上がった。ナノと雌餓鬼姉妹は、隊を、メスガッキー大編隊と呼ぶこととした。



(2節)メスガッキー大編隊の迷宮ダンジョン攻略


 旺鉄のナノが導く倥空こうくう母艦は、惑星の奥深くにある迷宮ダンジョン深層を目指す。


 ✧

 

 迷宮ダンジョンの深層では数多のモンスターが壁面から生じ、波状攻撃で襲いくる。

 応戦するメスガッキー大編隊の艦載機ファルケは、五行と天鬼の七色の陰陽で迎え撃つ。

  

 だが、厄介なモンスターは多い。一例に、巨大蚊グレート・モスキートの群れ。

 奴らは余剰次元を介しての吸血をなす厄介な敵。

 群れた奴らは、硬い翅で艦載機ファルケと取り囲もうとする。

 完全に囲まれてしまい、失血死に到ってしまった雌餓鬼もいた。


 ✧

 

 メスガッキー大編隊と倥空こうくう母艦は遂に迷宮ダンジョンの最深層に至った。

 雌餓鬼には約三十名の犠牲が出た。

 


2章 ✧ 御尻様と末妹レム、いにしえの奇界ℋへ翔ぶ


(1節)惑星コアからの転移


 迷宮ダンジョンの最深層を乗り越え、倥空こうくう母艦は、高温高圧の惑星コアに至った。

 

 倥空こうくう母艦がコアの圧に耐える中、ナノはここでしかできない挑戦について話す。

 今から、黑鉄球を艦の外に出す。黑鉄球は押しつぶされるが御尻様と共に太古の奇界に翔ぶはず。そこで、姉妹の一体を御尻様と共にその地に送り出したい、と。

 

「御尻様はどうなるの?」

「御尻様と一緒に行ったら何が待ってるの?」

 雌餓鬼姉妹の疑問。


 ナノは幾つかを答えた。

「オシリサマは試練ヲウケル」

「ソシテ心根ハ優シキママニ夜魔王トナル」

「御尻様ト共ニ夜魔王ノ地ニ至レタ者ハサカシクナル」


「ララが向かおう」

「御尻様と一緒にいるのはガッキー」

「飛龍丸のヒーがキカイに飛ぶ」

「……御尻様の後ろはレム」

 御尻様をひとりにしてはならないと姉妹の幾人もが名乗りを上げた。

 

 ナノは皆の前で続けた。

 惑星コアに黑鉄球と共に押しつぶされてなお生きて太古の奇界に辿り着ける者は身体小さき者。そしてサカシクなれる者は幼き者、と。

 

 身体が小さいといえば末妹のレム。

 サカシクなるが何のことか分からないが、最も幼き者はレムだ。

 

 姉妹は皆、レムを見た。

 末娘レムは、旺鉄ナノに向かって言う

「レムが行く」

 ✧


 雌餓鬼姉妹は順々に黑鉄球に入り、御尻様を撫で擦る。

 永らく姉妹を助けてくれた黑鉄球と御尻様との最後の別れだ。

 

 列の一番後ろに並ぶ幼きレムに旺鉄ナノが白く輝く玉を見せる。

「コレはナノのコアのヨウナ旺鉄ノ玉」

イニシエノ奇界デ役立ツ玉」


 ナノはレムの水色の髪に白玉を触れさせた。

 旺鉄の白玉は白いヘアバンドとなった。


 ✧

 雌餓鬼の姉達は順々に幼きレムの頭をなでなでする。

 千四百回ほど頭を撫でてもらったレムは、黑鉄球に入り御尻様にギュウッと抱きつく。

 みんなと別れるのは寂しいけれど、御尻様と一緒なのだから寂しくはない。

 御尻様の柔らかな肌に顔をうずめながらレムは思った。

 

 倥空こうくう母艦は黑鉄球を外に押し出す。

 惑星コアの超高圧が黑鉄球を潰していく。

 御尻様とレムにも圧が迫る。


 旺鉄のヘアバンドが輝きを増しレムを守る。 

 御尻様とレムは、太古の奇界へと転移した。


(2節)ルカ三郎と幼きレムの太古の奇界紀 ★本文に抜粋


 幼きレムは太古の奇界<にて目を覚ました。

 見ると御尻様は、灰色の巨体ハイオークのルカ君となっていた。

 そして、万能超計算機の存在スタニスワフレム(存在レム)と会った。


 その地トリガリア国の女王、ハイエルフのキアステンに会った。

 それから、ルカをこの地に導いた夢魔リリスのティアに会った。

 幼きレムは、ティアから御尻様となる前の朝長・ルカ・三郎のことを聞く(ゲーム開発会社で剣戟ゲームの開発に携わり《剣姫》とあだ名されていたことなど)。

 

 奇界で幼きレムはルカについて歩き、様々な経験をした。

 黑鉄球の陰毛を濛々と生やし恐ろしげな見た目だが、ルカはいつでも優しかった。レムの験氣けんきの目にはハイオークの身体の下に肌白い《剣姫》の御尻様が在ることがいつも視えていた。


 存在レムの異能、余剰次元作用のアンシブルを通じ、幼きレムは存在レムの機能性ストレンジリットを少しずつ分け与えていってもらった。するとレムの褐色の肌は少しずつ白くなっていった。

 アンシブルを通じ、多くの事を教えてもらった。存在スタニスワフレムの名は、ルカの地のSF作家スタニスワフ・レムに由来することなどを知った。


★《剣姫》ルカが転生し存在レムと出会うまでは、別途SSにて展開


 レムの身長は更に伸び、1つ角の白鬼となった。

 陰陽術と組み合わせた、遠隔作用の能力操陰陽アンシブルを習得した。


 その地の国の宝物蔵を守る大蔵オークラ大臣となったルカと共に地に潜り、白鬼レムは、ダイソン球殻をなす奇界の秘の一端を知る(外宇宙と異なる物理法則に従う魔のルッフィ等)。


 そして、白鬼レムはルカに恋をした。


 ✧


 地を歩くルカを、馬頭首ハヤグリーヴァの魔が襲った。

 ルカは敗れ、魔に潰された。


 残されたのは、幾つかの小さく黑い石球。

 白鬼レムは涙した。


  ★黑石となったルカが復活し夜魔王となるまでを、別途SSにて展開


 ✧


 存在レムは、黑鉄球と御尻様とルカの本質は、黑石の裡にあると言い、その一を白鬼レムに託す。

 白鬼レムは愛おしい念を込めて黑石を撫でた。

 ※黑石は撫でられることで、復活の奇蹟の数々を引き起こし、後の世に、黑の撫仔なでこ物と呼ばれることとなる。


 存在レムは、「二周目」の白鬼レムには果たすべき役割があるという。その頃には、白鬼レムは存在レムの思弁の本質を理解していた(主敵の《実験神》が外宇宙から隔離した奇界を黒色矮星内に創った訳の一部をここで知る)。


 存在レムの求めに応じ、白鬼レムは能力操陰陽アンシブルを行使し、新たな奇界𝙂ゲーへと分身した。白鬼レムの分身体、黑の撫仔なでこ物を抱えた白輝の巫女姫が、奇界𝙂ゲーの地に誕生した。その名は上杉謙神。


 ハイエルフ女王キアステンの魔術により、白鬼レムの本体は黑石ルカが復活する日まで永き眠りについた。



3章 ✧ 乙女𝙂ゲーの雌餓鬼姉妹と奇界𝙂ゲーの上杉謙神


(1節)乙女𝙂ゲーの惑星深層 メスガッキー大編隊の奮戦


 倥空こうくう母艦は惑星のコアを越え、異星の惑星コアにたどり着いた。

 異星の迷宮ダンジョンでは難敵モンスターが大挙し襲いくる。

 御尻様の加護を失ったメスガッキー大編隊は苦戦する。敵に敗れた艦載機ファルケと姉妹の1割近くが失われた。

 倥空こうくう母艦の変形を解き自ら打って出るべきか、旺鉄ナノは悩む。旺鉄ナノ自らは難敵モンスターに遅れを取らない自負はある。しかし、倥空こうくう母艦なしでは全方位から襲いくるモンスターから雌餓鬼姉妹を守り切ることは困難。姉妹の過半の命が失われかねない。

 その時、倥空こうくう母艦に、上杉謙神となったレムからのアンシブル通信が入る。時空を超えて駆使されたレムの能力操陰陽アンシブルが姉達の艦載機ファルケを強化したことで、メスガッキー大編隊は窮地を脱した。

 姉雌餓鬼たちは、末妹レムの無事が確認できて大はしゃぎ。

 それから、失われた133体の姉妹の亡骸を弔った。


(2節)奇界𝙂ゲーの琵琶湖 宮古島インスタンス


 後の世に忍術の里として知られる、甲賀の里山。

 その地で小さく幼いダークエルフと、白巫女装束のうら若き女性(上杉謙神)は休憩中。


「行こうか、謙神」 

 幼さが残る声音と共に小さき主がすっくと立ち上がり歩き始める。

「はい、ルカ様」

 巫女は後に続く。


 幼きダークエルフの身へと再転生して間もないルカだったが、奇界<で夜魔王と怖れられた彼の魔力はなおも強大。

 ルカが人払いの魔結界により、半農半忍の生活を送るこの地の忍びたちは夜に獣道を歩く2人に気づくことはない。人払いとは称しているが、ルカの魔結界は野の獣たちも遠ざける。夜目が効く2人は、地の仄かな光のみを頼りにひた歩く。

 目指すは、湖南の里。


 そこで、陸上自衛隊宮古島駐屯地の輸送ヘリに同乗してきた畑和希と逢う。


★和希と穂香周りの設定は、じみか1巻『奇界Åクラスマツリ』【プロット】をご参考。


 ルカが土御門の陰陽を与えると、和希は土中の龍脈を視る力を得た。同時に和希は常温より低い物質を透視するようになってしまう。周囲の陸自隊員がマッチョな裸体を晒す中、和希は上杉謙神の巫女服は透けないことに気づく。

 ルカに恋する上杉謙神は、ルカ以外の男性に裸体を見せることはしないと決めていたのだ。

 ✧

 ルカと上杉謙神は存在レムの欠片を使って、和希の衣服透過能の中和に取り組む。そのために存在レムの欠片を取り込むことになった中1の凪沙野穂香なぎさのほのかは、和希の衣服透過能とテントの中で毎晩向き合う恥ずかし責めの果てに、機能性ストレンジリットを駆使するリモコン操作型の人間兵器ヒロインへと進化する。


 SLIストレンジリットインサイド人間兵器ヒロイン穂香は、奇界𝙂ゲーの数々の魔を相手に身体を張った奮戦をし、最終学歴中二さいしゅうへいきかのじょとなる……そして、時の果てで旺鉄ナノと化し《実験神》に二周目の戦いを挑む。


 謙神にとって唯一の気がかりは、ショタなダーク・エルフのルカが、穂香ほのかの通うミカ校の女子たちに大人気なこと。謙神は時に青筋を立てながら彼女たちとルカの適切な距離を保つ。

 

 

4章 ✧ メスガッキー大編隊、乙女𝙂ゲーの王国ベルンハルトに至る


 倥空こうくう母艦は、惑星深層の迷宮ダンジョンを超えた。


 まもなく、地表だ。

 旺鉄のナノは地表に出る前に「服を着なければならない」と言った。

 

 服?

 初めて聞く言葉だ。

 雌餓鬼達は戸惑った。


 旺鉄のナノは、姉妹たちに服とは何かというところから、長時間の説明を行った。最終的に納得した、雌餓鬼姉妹は、皆でワイワイガヤガヤしながら、割りとカラフルな衣服を製造。

 ※材料①姉妹の毛髪(接合生殖時の遺伝的多様性により、各種の髪色が存在)

 ※材料②「食しうるもの」から製造されたセルロース繊維。



 旺鉄ナノは、地下の浮遊迷宮街モルダバイツの傍に艦を寄せた。

 モルダバイツは迷宮ダンジョンに挑む冒険者の街。

 見知らぬ巨大な金属船を見た人々は、戦々恐々。

 

 モルダバイツの冒険者ギルドに、王国聖神殿から迎えの者を出すとの伝報が入る。


 在りし日の王国ベルンハルトの勇者ナノ。

 彼の勇者が天寿を迎えし時に破我ハガれた存在が、旺鉄のナノ。

 

 共に阿鼻の獄卒より地を守護してきた聖神殿には、勇者ナノの伝承が残る。その一節に旺鉄の船に関する記述があった。


 聖神殿長は、旺鉄の船に使者タルヴィッカを送った。


 旺鉄の艦より続々と雌餓鬼姉妹が現れる。姉妹は使者のタルヴィッカを取り囲む。傍目に醜女しこめなタルヴィッカには、幾重もの呪いがかけられていた。

 けれども、雌餓鬼達は醜女しこめのタルヴィッカにすっかり懐いてしまった。


【2巻】乙女𝙂ゲー世界に渦巻く阿鼻の謀略との戦い

(1章) 

 旺鉄人形ナノは王国ベルンハルトの聖神殿長と対面。

 ナノは、この地への阿鼻の脅威は惑星の重心を離れ揺らぐ惑星のコアと考えていた。確かにコアの摂動が増すことで、王国の地に施された円環結界が破られる恐れがある。

 だが、結界を超え人々にかけられた阿鼻の呪いも大きな脅威である模様。

 王族の血を引くタルヴィッカは、呪いにより醜女しこめとなり、力を大幅に制限されていた。


 ✧

 聖神殿長の紹介を受け、旺鉄ナノは、女神の加護持ちのリスタリカ(リスタ)と対面。そして、リスタの裡にいる中洲の女神リカと話す。

 乙女𝙂ゲーの女神リカは、前世の記憶を持つ。その話を能力操陰陽アンシブルで聞きながら、レム子は乙女𝙂ゲー世界と奇界𝙂ゲーとの類似性に思いをはせる。

 

 かくして、女神リカの加護チート持ちのリスタ達と雌餓鬼姉妹の対阿鼻の獄卒連合が結成された。

 

(2章)

 惑星コアを操る阿鼻の獄卒どもは、呪いを駆使した攻撃を激化させベルンハルト王国の円環の結界を揺るがす。王国は度重なる地震に襲われる。能力操陰陽アンシブルの軍師レム子が女神の加護チートを活用した防御術式を編み出し、円環の結界の守りを強化する。


 さらに能力操陰陽アンシブルに女神の加護チートを上乗せした術式下、倥空こうくう母艦から出撃したメスガッキー大編隊は阿鼻の獄卒どもとの最終決戦に挑む。

 見事、勝利。

 ベルンハルト王国は崩壊を免れた。

 そして、王女タルヴィッカは、美し姫に戻った。


(SS)落ち目謹慎令嬢リスタリカのお話。

 聖女修行中のポンコツ令嬢リスタリカが、落ち目の謹慎令嬢として、中洲の女神様に出会い、呪いの王女タルヴィッカを愛するようになった頃の話(前日譚)。


験氣けんき持ちの雌餓鬼姉妹と同様に、女神の加護あるリスタリカは呪いに妨げられません。ひたすら王女タルヴィッカの美し姫の姿に見惚れてます。


(SS)姉餓鬼の初繁殖

 王女タルヴィッカと出会ったことで、幾人もの姉妹が当地の女子とのユリに目覚めてしまった。雌餓鬼族の繁殖目的は達成できないのか?

 旺鉄の勇者ナノからそんな相談を受けた中洲の女神リカは、雌餓鬼姉妹に廉騎士アラセイカを紹介。ターメリックの加護を持って当地へ転生したアラセイカは、獄卒の魔素に耐久性を持つ。それにロリコンだ。

 姉餓鬼が一、リリがアラセイカとの初繁殖行為を達成。リリと彼氏ダーリンとのR18なシーン話に、姉妹達は興味大津々。

 繁殖し一族を再興再旺させるための、雌餓鬼姉妹のはじめの一歩。


(3章)

 乙女𝙂ゲーのベルンハルト王国の浮遊迷宮街モルダバイツは、倥空こうくう母艦の母港となった。

 末妹レム子から、艦に久しぶりのアンシブル通信が届いた。共同作戦中の人間兵器ヒロイン凪沙野穂香なぎさのほのかが、奇界𝙂ゲーの地にて、身体を二分されたという。

 代わりに姉の凪沙野なぎさのナノカが現れ窮地を救った。

 ナノカは旺鉄ナノの姉なのだという。レム子の能力操陰陽アンシブルを通じナノカからのメッセージを受け取った旺鉄ナノは、勇者ナノとなる前の記憶の一部を取り戻す。

 ナノカの要請に応じ、倥空こうくう母艦とメスガッキー大編隊は奇界𝙂ゲーに向かうことになる。



【3巻】

(1章)

 

 レム子からの倥空こうくう母艦に地上に浮かぶポイントの指示が入った。

 琵琶湖を北西に抜け若狭湾に至る辺り、奇界𝙂ゲーの地。

 土御門の陰陽使いである畑和希の導きの下、魔人ウラジミー・ルサンカが魔剣ベルセプトを振るった。生み出された原爆級の爆砕の振動は倥空こうくう母艦にも伝わる。姉ナノカの指示に従い、旺鉄ナノは、艦を若狭湾側から土中を進ませ爆裂孔に至る。これにより、琵琶湖から日本海に至る運河を作るのだという。


 __畑和希はたかずき__

 アラセイカと同じく五文字の男子の名に、雌餓鬼姉妹は興味津々。


 ナノは倥空こうくう母艦内の音声を人族の住まう奇界の宮古島へと送信した。倥空こうくう母艦から雌餓鬼姉妹の姦しい幼女声が送信され始める。


 まもなく琵琶湖というマキノの山中を突き抜けると、艦は地上に出て静止した。


 艦を出たナノと雌餓鬼姉妹達の前には5名。


 女子が4名。

 純情剣姫、上杉桃佳うえすぎももか。内国の異世界から空間を切り裂き、魔剣ベルセプトをこの地に届けたという異能者。

 魔剣が召喚した、魔人ウラジミー・ルサンカ。そのグラマラスボディには魔剣ベルセプトを振るう力が宿る。

 それに人属ながらも、かつての天鬼族のように大柄で筋骨隆々な、結愛ゆあ心春こはる。この地を警護する部隊エムデシリにて鬼姉様方とあだ名される屈強な隊員だ。

 

 そして、男子が畑和希はたかずき

 皆、他界から奇界への転移・転生者。


 ナノの姉、ナノカは、何匹かの魔王をとっ捕まえて配下にする旅に出たとのこと。


 ✧


 和希はデジャブを味わっていた。

 艦から出てきた雌餓鬼姉妹は千名余、皆、下着同然の姿だったのだ。

 しかも、皆々、あの時のテントの中の穂香ほのかの如く、ミクロちゃんボディ。


(2章)雌餓鬼姉妹と宴会芸兵器みんなのヒロイン


 身体を二分される重症を負って入院中の穂香ほのか達は、倥空こうくう母艦からの雌餓鬼姉妹の唱和を聞いた。折よく人間兵器ヒロインとしての上半身は回復した。

 リモコンコマンドにより、穂香ほのかの上半身は雌餓鬼姉妹達のところへと向かう。

 旺鉄のナノの仲立ちの下、宴会芸兵器みんなのヒロインの力を強めた穂香ほのかが雌餓鬼姉妹を全力で歓迎し、友誼を結ぶ。 

 その後、雌餓鬼姉妹は、陸自隊員ら奇界の地のヒト属から歓迎を受けた。


(3章)エルメヌーム帝国の魔族軍との佐渡ヶ島再戦

 雌餓鬼姉達は末妹レム子との再開を喜ぶ。

 レム子は近接距離からの能力操陰陽アンシブルにより姉鬼達の潜在能力を引き出した。メスガッキー大編隊の個の力は飛躍的に増した。


 前回の佐渡ヶ島戦では、主戦力であるリモコン操作型人間兵器ヒロインこと凪沙野なぎさの穂香ほのかが敵の魔晄まこうに貫かれ、あえなく敗戦。


 心強い大編隊の援軍を得て、佐渡ヶ島の再戦が始まった。


 先攻は、倥空こうくう母艦内の軍師レム子の能力操陰陽アンシブルのサポート下、初の空中戦に挑むメスガッキー大編隊。後方の琉球準州軍イージス艦から発射された人間兵器ヒロイン穂香の上半身や魔人ルサンカ達が続く。

 和希は最大出力の土御門で守りを固める。

 

 共に力を増したとメスガッキー大編隊の人間兵器ヒロイン穂香ほのかの奮戦により、魔族との決戦に勝利。

 

 強襲揚陸艦から上陸した陸自隊員達が佐渡の金山・銀山を確保。これで現代戦装備の維持に欠かせないパワー半導体の製造再開が可能となる。


 なお、佐渡ヶ島では雌餓鬼姉妹は女子トイレに行くことをマスターした。女子トイレにて、連戦に疲れ上半身をベッドに横たえていた人間兵器ヒロイン穂香の下半身と姉妹は初対面。


(SS)宴会芸兵器みんなのヒロインと雌餓鬼美作みまさか隊の果てしない諍いの日々の始まり


 友軍との共闘を通じ、雌餓鬼姉妹は男子への耐性を得ることができた。

 が、長らく煉獄の地にあった彼女達の身体に溜まった魔は、人属男子にはなお刺激が強すぎる。即ち当地でも交雑繁殖行為は不能と判明。


 ただし、土御門の陰陽持ちの和希ならば魔を祓いうるとナノは言う。

 雌餓鬼姉妹は続々と和希に這い寄る。

 主な被害者は和希の白い恋人穂香ほのかと、自称赤い愛人のルサンカ。


 金鬼と銀鬼は、大編隊のうち、美作みまさか隊の雌餓鬼姉妹50名を当地の支援に残すと決めた。レム子は美作みまさか姉妹に最低限の社会常識を急ぎレクチャー。

 かくして、美作みまさか隊と穂香ほのか達との果てしなき諍いの日々が始まる中、雌餓鬼姉妹を乗せた倥空こうくう母艦は次なる地へと向かう。


【4巻】


 旺鉄ナノと雌餓鬼達の次なる使命は、世界𝙂ゲーの源流にある『惑星テラ』を救うこと。


(1章)ルッフィの迷宮再戦 ★本文に抜粋


 倥空こうくう母艦は、旺鉄人形ナノに導かれ、次の目的地へと向かう。


 奇界𝙂ゲーの地殻を潜り、母艦は再びルッフィの迷宮へと至った。

 ほどなく惑星深層を上回る強度のモンスターが襲い来る。

 だが、軍師末妹レム子に導かれ、鍛え抜かれた虹の大編隊の脅威ではない。

 戦いの最中にも、雌餓鬼姉妹は知恵者レム子の話の方に興味津々。


(2章)対恒星戦

 倥空こうくう母艦が向かう先は真空崩壊後の古の奇界ℋ。

 奇界ℋの最終魔族どもは、とある乙女座超銀河団Uから召喚した恒星で、旺鉄の船を脅かす。

 しかし、レム子のアンシブル通信での呼びかけに応え凪沙野ナノカが現れたことで形成は逆転。ナノカは対恒星戦を視野に入れた修行を重ねていたのだ。

 

(3章)テラへ

 倥空こうくう母艦は奇界ℋの時空を越え、真の人属男子ダーリンが住まう惑星テラへと至る。ただし、凪沙野ナノカの方は対恒星戦で力を使い果たし死ニ破我ハガレ、フェムトメートル級の小さな綺粒花キリカへと分裂してしまっていた。


【5巻・6巻】惑星テラ編。

 ここは惑星テラの埼玉県越谷市上間久里天神かみまくりてんじん社。

 元ナノカの小さな綺粒花キリカ達はテラのゲームサーバに取り憑きなゲーム女神フェムトナ達となった。末妹レム子と通信可能なフェムトナ達は、夢魔リリスと組んで、雌餓鬼姉妹に彼氏ダーリンを紹介すると共にさらなる冒険に誘う。


【7巻・8巻】レム子のガールミーツボーイ編

 末妹レム子は新たな分身体、鴨志田サチを得て、とある横浜市の鴨志田神社を訪れる。神社に在る黑の撫仔なでこ物を撫でた、鴨志田サチは自身がルカの想い人の黄泉還りであると気づく。

 サチとなりしレム子は、ルカを黑の撫仔なでこ物を手にルカを探す。


【世界観】


■阿鼻の魔災

 日本ひのもとが戦国の世の頃に、地底から現れた異世界の獄卒(魔族)どもによる阿鼻叫喚の大災害。

 獄卒どもが引き起こした魔災の果てに、世界は煉獄の炎の地に変わる。

 この魔災が完遂されると、陸生生物は絶滅する。水棲の動植物は多少残ることととある。


■《実験神》の奇界<と奇界𝙂ゲー

 《実験神》が生み出した、ダイソン球殻型のゲーム世界的な奇界達。黒色矮星内に存在。時空を捻じ曲げ乙女座超銀河団内の数多の惑星マントル層と繋がっている。

 地では各平行世界から転移した科学サイド・陰陽サイドの人々と魔族サイドの魔物との大規模戦闘が繰り広げられている。高レベル者は自他のステータスが確認可能。奇界では地殻内ルッフィに宿した獄卒の魔力を通じ、数多の平行世界地球に滅びの無理ゲー(阿鼻の魔災など)を課している。一方で、奇界の地は何故か「パロディ」に溢れてもいる。


■ 乙女𝙂ゲーの王国ベルンハルトと時無き世界アトラ

 阿鼻の魔災により身を焦がされた者の魂は、時無き世界アトラに至る。また、アトラには、時ある宇宙の可能世界の写像が並ぶ。魂とそれら写像は、近傍の時ある世界に影響を及ぼす。

 結果、生成されたあたかも乙女ゲームのような世界が、乙女𝙂ゲー。キーとなる乙女がバッドエンドに陥ると、物理法則が変わる真空崩壊が生じ光速で宇宙全体に広がり、汎銀河的な崩壊が生じる恐れがある。

 乙女𝙂ゲーの王国ベルンハルトには、アトラの魂を介した転生者が生まれることがある。その一が、かつての救国の英雄ナノ。


■ 機能性ストレンジ物質の「死ニ破我ハガレ」

 超高密度な超安定クォーク束縛体であるストレンジ物質は、高度な知性体に至ることがある。こうした機能性ストレンジ物質は、有機生命体と一体化することで機能を高めうる。

 有機生命体が死した場合も(少なくとも核弾頭を爆心地で直撃した程度の衝撃までは)ストレンジ物質は安定的に残存する。死後の有機生命体が死するとストレンジ物質は「死ニ破我ハガレ」る。死ニ破我ハガレたストレンジ物質は余剰次元を介し新たな世界へと至る。


死ニ破我ハガレた後の存在例:雌餓鬼軍師レム子、存在レムの欠片、凪沙野系の個体(ナノカ、旺鉄人形ナノなど)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る