20210925 「LOVE」



遊園地で私は手を引いている。

2時間前に人を殺めた手で彼女の温かい手を握っている。

「ねぇ!次あれ乗ろうよ。」

「ああ、、」

夕方の人もまばらな寂れた遊園地に2人が歪な影を落とす。

「私感謝してるんだー、だってあなたは私を自由にしてくれたから」

彼女はそう言って笑う。

これで最後と観覧車に乗り込み観覧車が12時を指した時に彼女は私を抱き寄せた。

「ありがとう。自由をくれて。その代わりにあなたも自由にしてあげる」

そう言った彼女と私の間には赤いシミが広がった。

奇しくもそれは白のパーカーとシロのニットに広がり綺麗な二つの放物線を描く。

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