ここだけの話

RIRI

11月14日

名前のない感情が胸の中で彷徨っていた。

湖があって、その上に濃い霧がかかっているような。今にも雨が降り出しそうな空に、暗い雲がかかっているような。

そんな感情。


ただひとつわかるのは、気分が悪いということだ。幸せではない。



この世に永遠がないのは知っている。

ずっと恋人でいるとか、ずっと友だちでいるとか、そんなの不可能だ。


ずっと好きでいるなんてできない。

必ず、なんて言えるわけない。


なのに、無意識にドラマを期待している。


不幸が芸術になることを期待している。


愛するあの人が私の目を真正面から優しく見つめて、大きな腕で私を抱きしめる夜が来ることを期待している。


何度裏切られても。

焦りと不安と絶望が私を襲っても。


それさえ気持ちよく思えてしまう私だから。

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