第36話
見開かれた目は真っ赤に染まり、血管が皮膚の上に浮き出ている。
「ガアアアアアア!」
美世が雄たけびをあげ、天を仰いだ。
その瞬間。
巻かれていた包帯がブチブチと音を立てて千切れ始めたのだ。
「これは素晴らしい。筋肉も変化を遂げているようですね」
覆面男が楽しそうにそう言った。
筋肉に変化!?
そうしている間に包帯はすべて剥がれ落ち、美世の顔が現れていた。
昨日剥がされた皮膚はそのままで、頬やおでこの筋肉が異様に盛り上がっている。
美世の心臓が動くと同時に、顔中の血管が大きく上下している。
まるで化け物だ!
「本当はその化け物と、残った2人で戦ってもらう予定だったんですけどねぇ」
あたしは悲鳴を上げることもできず美世を見つめた。
美世はジリジリと近づいて来ている。
美世の体が揺れる度に、筋肉がボコボコと浮き上がってくるのが見えた。
あたしは手を伸ばし、壁に飾られているナイフを手に取った。
こんなもので勝てるなんて思えない。
きっと、あたしはここで殺される……!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます